「てまえ持ちいだしたるは、四六のがまだ」「生麦生米生卵」。目次を目にするだけでも声に出して読みたくなる口上や早口言葉、古典の名句を集めた暗誦のテキスト。ページをぜいたくに使い、大きめの活字でぱらりと配してある言葉はなじみ深いものが多く、目で追ううちにいつしか口に出している。
こうした言葉は「日本語の宝石」、暗誦することによってその宝石を「身体に埋め込む」ことができると著者は言う。声に出し、身体で美しい日本語を覚えれば、意味はわからずとも潜在的な日本語の力を身につけることができる。
「腹から声を出す」「リズム・テンポに乗る」などのグループごとに選ばれた宝石たちは全部で76。「祇園精舎の鐘の声」(『平家物語』)といった古典の名句のほか「どっどど どどうど どどうど どどう」(『風の又三郎』)「はっきよい、のこったのこった」(行司のかけ声)など楽しいものがたくさん収録されている。
各文には作品が書かれた背景、声に出すときのポイントなどを丁寧に書いた解説がついている。著者自身の体験や、「兼好法師は『上達論おやじ』である」といった独自の言いまわしがまたおもしろい。気に入った言葉を覚え、ひとり朗々と暗誦したり、親子で声をあわせるのもいい。漢字にはふりがながふってあるから、子どもひとりで暗誦することができる。
読む、のではなく著者が言うように「使い切る」ことによって本領を発揮する良質の日本語テキストだ。(門倉紫麻)
是非とも再版して欲しい
★★★★★
ここに収められている全てを、正しく、またその内容に合った雰囲気をだしながら?音読するのは、私には出来ません。
しかし、子供に日本語のすばらしい響きに触れてもらいたい・・・、「CDしかない!!」っという結論に達し、購入しました。
さて、CDですが、『すばらしい!!』の一言です。
読み手が豪華な方方ばかりで、文章が生き生きと伝わってきます。お経はお経の独特なリズムでお腹に響くような低音で、漢文や浪曲、昔、国語の教科書で読んだ有名な一節が、すばらしい響きで読み上げられていきます。
私は今までどこかで耳にしたことがある文章がほとんどですが、子供にとっては始めて耳にするものばかりなので、私の拙い音読がお手本になってしまうのが怖い、本物を聞かせてあげたかったのです。
『声に出して読みたい日本語』なので、いつかは子供と一緒に音読したいと思いますが、まずは何回もCDを聞いて、そのリズムを覚えてから挑戦したいと思います。
このシリーズは2も3も・・、出ていますが、CDが出ているのは1のみなのでしょうか?
1も絶版になってしまっているのは残念ですが、是非とも続編もCD本を出して欲しいです。
日本語は美しい
★★★★☆
幼い子供に何か日本語の良い文章を読んであげたいと思って買いました。始めはCDは要らないかなと思ったのですが、吹込みにはそうそうたる名前が連ねてあったので、試しに聴いてみようと思ったのと、特に古典はリズムよく読みたかったので、CDを聴いて音感をやしなう目的でCD付きにしました。普段耳にしないし興味も特に無かった浪曲や落語、そして古典の文章が音で聴くと本当に素晴らしく、しみじみと「日本語って素晴らしいなぁ」と感じられました。これを機会に落語や歌舞伎などの講演に行きたくなりました。南無阿弥陀仏は臨場感溢れる録音になっており、一緒に暗唱してみるのもとても面白かったです。聴き、読むことで、自分の日本語の質も上がるような気がしました。ただ読むだけでなく、音として数々の美しい日本語に触れられたのでこの一冊はお得だなと思いました。ただ、小林薫の朗読は少し一本調子気味だったのが残念です。なので☆4つにしました。
CDが欲しかったので、買いました。
★★★☆☆
声に出して読みたい日本語のCD版が出ているのを本やで発見しました。できることなら、最初の「声に出して読みたい日本語」に、CDを付けて欲しかったです。本の中身はあまり変わらないので、少し、損した気分です。
でも、やっぱりCDはあったほうがいいと思うので、買って良かったと思います。CDで何気なく聞いていると、文章が耳に残ります。テレビ等でその文章が使われていた時など、教養が一つ増えたような気がして、うれしくなります。
暗誦しました!
★★★★☆
長~い夏休み、子供と少しでもたくさんの名文を覚えようと購入しました。名文と言われても小学3年生には、なかなか読みこなすのが難しい文章ですが、第一線のプロが朗読する文章は子供心もくすぐる様です。中でも、漢詩の中国語読みは斬新な企画で、銭波さんの素晴らしい朗読は子供の好奇心にピタッとはまり「春望」「静夜思」などの掲載されている漢詩はほぼすべて日本語、中国語(発音は◎)で暗誦できるようになりました。古典や歌舞伎などなかなか日常では耳に出来ない文章を改めて音で聞くと違った感動があります。子供と聞くのがおすすめです。
文章だけでのコミュニケーションの限界
★★★★★
タイトルにつけたとおりで、ネット社会で、見知らぬ他人と、趣味とかで交流出来る昨今ですが、”このニュアンスで”とか”こんな感じ”で、読んで欲しいと思う場合があります。(個人的に苦慮しています)
この本には失われそうな、読み方が保存されているので、子どもと一緒にマネしたり等の楽しみも有ると思います。
姉妹編で「声に出して読みたい方言」もありますので、もっと広まって、”○○弁で読んで”とか括弧をつけて読んでもらって、個人をより立体的に知ってもらいたいとも思います。
割と否定的な意見が多いのですが、聞く事によりイメージが深まる事もあると思います。