色遣いがきれいな地図帳
★★★★☆
純粋に地図帳として使ったときに色遣いは結構重要なファクターです。
私自身はしっくりとしてます。
撮り鉄で車で移動するのですが、おおざっぱな位置情報もつかみやすい縮尺で便利です。
ただ詳細地図の縮尺はもう少し大きい方がみやすいと思いました。
コロプラのおともにどうぞ
★★★★★
コロプラやケータイ国盗り合戦など最近流行の携帯電話の位置情報サービスを利用したいわゆる位置ゲームを、列車に乗りながら楽しむのにこの地図は非常に有用です。
移動距離を稼ぐには列車の進む方向が変わるたびに小まめに位置登録をしていったほうが有利ですが、この地図を見ればどこで線路が進路を変える地点を知ることができますので便利です。その地点で位置登録をしていけば、距離を稼げます。
また、コロプラのスタンプが得られるエリアや国盗り合戦の国は市区町村などの行政区画ごとに区切られていることが多いのですが(もっとも都市部ではもう少し小さいエリアで区画されていることが多いですが)、この地図ではどの駅がどの行政区画に属しているのかも一目瞭然です。ケータイの充電が難しい旅行中においては、位置登録はできるだけ最小限に留める必要がありますが、その反面でスタンプ集めや国盗りは取りこぼしないように確実に行っていきたいですから、このことは重要です。この地図で行政区画がどこで変わったかを確認してから、位置登録をしていきましょう。
もともと昭文社の地図は見易いことで定評があり、お勧めです。
だれが買うのか不明の珍書
★☆☆☆☆
書店で見かけたときから酷い本だ、鉄道ブームに便乗した中身のない便乗本だと
思っていたが、手に取ったところあまりに酷いので、あえて1冊購入し、
このレビューを書かせていただく。
レビューを書くために本書を買ったのであって、そのことを出版社は肝に銘じて
いただきたい。
帯に実用系とあるが、実用性は皆無。
誰がどんな場面で使うのか全くわからない。
おそらく、能登・北陸や500系のぞみなどが廃止になる22年3月ダイヤ改正前に
駆け込みで、自社の地図の鉄道の載っている部分だけ抜粋したら簡単に売れる鉄道本
ができるだろう、鉄道路線全部と複線・単線が載っていれば最近はやりの配線図だ
などと安易な発想で作られたのだろう。
まず、鉄道地図帳を銘打っているが路線図がない。(もちろん配線図もない)
昭文社の地図はこれまで巻頭にその地域の鉄道路線図を掲げていたはずだ。
全国を書き起こすのがめんどくさかったのか割愛されている。
路線図は地図屋の縄張りではないのか。
地図屋の鉄道本に路線図がなくて、誰が路線図を出してくれるのだろうか。
巻末に索引と称した路線ごとの駅を横棒にならべたものがあるが、本編の地図と
組み合わせたにしても、運転系統や相互関係の把握には役立たない。
本編の地図も、都市中心で分割されており、路線ごとの分割ではないので
位置関係が把握しにくい。
巻頭の鉄道関連施設・駅弁・スタンプ等の記事も片手間な印象だ。
駅弁等も含めて、そのジャンルの方なら誰でも知っているようなものばかりが
5〜6が載せられているだけでとても網羅しているとは言えない。
そもそも、それを載せてどうしろというのかが書かれていない。
地図なのだから現地に行き体験するためのものだろうが、行き方や具体的に
どうすればそれを体験できるのかは載っていない。
誰がどんな場面で使うのか全くわからないと書いたが、この点は本当に不思議だ。
撮り鉄はこんな縮尺の荒い地図では、ロケーションが把握できないだろう。
そこを通る車両や運転系統も把握できない。
車でロケに行くにしても、周辺の道路は鉄道圏外がカットされ、当然高速道路
ているのでアプローチにも使えない。
トンネルや橋梁なども載っているが、本書だけではそこへ行き着くことも難しい
だろう。
机上旅行鉄なら、こんなものはなくても時刻表の路線図でどこを走っているか
イメージできるはずだ。
各地域こま切れなので、むしろその路線そのものを把握しにくい。
乗り鉄も同様だろう。この地図では車窓も乗換駅もイメージできない。
なにより時刻表があれば(この程度なら)事足りる。
廃線跡鉄は? 確かに廃線跡の記述はあるが、この地図で廃線跡探索に行くのは
無謀だ。
最近はやりのライト鉄はどうか? 本書を入手しても、情報が荒すぎてイマジネー
ションが広がらずプランニングもしにくいだろう。これでは趣味の範囲も広がり
ようがない。
たとえば不意に、ブルートレインが見たい!と思ってもどこに行けばいいかわから
ないし、運良く乗れたとしても、どこを経由しているかも本書上では追えないだろう。
出張時に、終わった後寄り道鉄・・というような用途はどうか?
用務地の場所が把握できない(縮尺が荒い・鉄道圏外は載っていない・用務地
最寄り駅と目的地を結ぶ路線図がない)ので時間のタイトな出張鉄には論外だ。
唯一、物珍しいのは車両基地の場所を地図上にアイコン表示していることくらい。
珍しいと言えば珍しいが、現在の車両基地はどこも基本的に見学不可なので何を
させたいのかは謎だ。車窓として見るなら別に地図でなくともそれこそ路線図を
用意して、それに印して欲しい。
乗る場面でも、見る場面でも、現地に行くとしても本書だけで何かをするのは
難しそうだ。
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本書に興味を持った読者には、本書は買わずに以下をお勧めしたい。
鉄道手帳 西日本編
鉄道手帳 東日本編
書名に地図とは全く入っていないが、路線ごとに路線をカバーする形で地図が
載っており、そこを走る車両の写真もあるので、その路線の景色も含めて雰囲気
がよくわかる。本書とちがうのは、地域で区切るのではなく路線で区切った地図が
イメージをつかみやすくしている。
(名称は鉄道手帳だが、乗りつぶし野帳的な鉄道手帳[2010年版]とは別物)
乗換にもどんな車両に乗ればいいかも含め写真があるというのは便利だ。
メインは地図なのに、地図とは書かない潔さもすばらしい。
未知の路線に乗車する際の予習(現地での直前予習も適)にも最適だ。
大きさもよく考えられており、旅行に持って行って使いたい。
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私自身、このレビューを書こうと思わなければ本書は買わなかった。
あの頃、こんなヘンな本がブームに便乗して発行されたという記録のために保管して
おこうと思う。