見て楽しい本
★★★★☆
この本は、前半部分と後半部分に分かれています。前半で製本の実技の解説が写真とイラストでつづられています。後半が、著者でもある美篶堂(みすずどう)についてのエッセイです。本書で使われている道具は、美篶堂から通信販売されています。でも、やはり実際の講習を受けてからでないと、同じように作ることは難しいと思います。
これから電子書籍が普及して行くでしょう。でも自分のお気に入りの書籍を、自分で製本し直してみたくなります。本書では文庫を上製本にする手順も解説されています。
この本そのものが手製本ということでもユニークな1冊です。
本文糸綴じの方法は和綴じだけ
★★★★☆
「手製本」といっても、この本に載ってるのは
入門的な表紙の付け方が主で、
本文の紙(折丁)を糸でかがって綴じていく「製本」の技法は載っていません。
糸綴じのは、和綴じのだけ、載っていました。
ノリ(ボンド)での製本が主です。だから確かに、簡単な手順に見えます。
細部まで解説してある実用書というよりは
ほんとうに、初心者に「手製本」の楽しさをつたえるイメージ重視の本という印象でした。
表紙をつける手順は、すべてカラーの写真やイラストで
作業の流れが一目瞭然という感じに作ってあるので分かり易い
印象ですが、すごくシンプルにしてる分、たぶん実際にこの本だけを手がかりに
初心者が作ろうと思っても、技術的につまずくと思います。
ちょっと習ってみて、また基本に戻る人、などには重宝かもしれません。
この本で、本作りの楽しさ、手製本の素敵なイメージは、とても良く伝わります。
読んでいて、心地よかったです。
ただ、実作業の指南書は、別の本を手元に置いた方がいいでしょう。
大変分かりやすい、佳い本です
★★★★★
最近続々と出版されている「本を手作りするための本」。
その中でもトップクラスの一冊だと思います。
この手の本は何冊か持っていますがあまりにも素敵なので買ってしまいました。
分かりやすい説明文とイラスト、きっちりとした写真で構成されており、
本の綴じ方(和装本の綴じ方)の説明は秀逸。
かゆいところに手が届く、という感じです。
また、3分の1強は「美篶堂ものがたり」となっており、
美篶堂の仕事への向き合い方などを垣間見ることが出来ます。
そして本書も手製本。
可愛らしいフランス装です。
読んだり眺めるだけでも十分楽しめるでしょうが、
なんといっても実用性が非常に高いと思いました。
オススメです〜。
(2009.5.12 追記及び一部編集)
えんちゃ堂
★★★☆☆
手製本の美しさ、職人さんの心を感じられる本