先生の教えがぎゅっと詰まった本
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「綴葉装(てっちょうそう)」の綴じ方を、この本の筆者である村上翠亭先生に直接教わりました。その後も自分で何度も試みたために、今でも自分で綴じることができます。
でも、「粘葉装(でっちょうそう)」「四つ目綴じ」「折り本」などの綴じ方はわからず、後に制作した「筋切古今和歌集」は見よう見まねで「粘葉装」を試みて、やはりあまりうまくいきませんでした。
それらの綴じ方も含め、代表的な「和綴じ」の方法を具体的にわかりやすく説明したのがこの本です。村上先生が大学での授業や自身の作品制作で試みられたより簡便な方法を紹介しているので、この本を見るだけで簡単に和綴じ本を作ることができます。
村上先生の作業の様子を本で見ながら、先生から綴じ方を学んだ時のことを思い出しました。
自分で作ってみたくなる本
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大きく分けて「糊でとじる和装本」と「糸でとじる和装本」の二つある。
(1) 糊でとじる和装本
やさしい糊とじ本…二つ折りにして糊をつけてとじる。
おしゃれな糊とじ本…ページ数の多くなった時に豪華な表紙をつけてみる。
豆本…片手におさまるくらいのかわいい本。江戸時代に女子供向けに作られた。
扇面形の糊とじ…平安時代に流行した装飾経の形式のひとつ。
(2) 糸でとじる和装本(美しい糸とじ本
印譜…古印や篆刻の印影を集め、観賞用にまとめた書籍。
消しゴム版でつくる小さな印譜…表紙に四つ穴を開けてとじるので四つ目とじと言われる。
夢二の千代紙でつくる年賀状入れ…思わず手に取りたくなる懐かしい柄の千代紙を使う。
(3) 折本をつくる…般若心経をとじて、ありがたいお経にするのもいい。