精神医学者や診療内科医などの専門家が読む本?
★★★☆☆
内容は極めて専門的で、身近な人やご本人が統合失調症であるなどから、「統合失調症ってなんだろう?」という目的で読む本では全くありません。
そもそも統合失調症とは何であり、どうやって発生し、脳内でどのような神経伝達異常が起きていて、各薬がどう作用し、なぜ統合失調症の治療薬になったのかといった歴史的経緯などを医学的な見地から書いているように思います。
従って、本書は読者のニーズに応じて評価は変わってくるものになるでしょう。前述のように、専門性が高いために素人やこの症状について概要を知りたいという目的は果たせません。
医学的見地で読むとなると、入門書的なものに当たるのか?そう思います。
文中には多くの医学用語や精神症状についての用語が出てきますが、注釈が付いていて本書の中盤にその解説があります。しかし、注釈は各ページにあるほうが読みやすいと思えるので、この構成は個人的には読みづらいというか、煩わしいように思います。また注釈が中盤にまとまっているのが利点になるとは思えないにも拘わらず、各注釈には共通性はありません、病状や麻薬物質などがそのまま羅列されていて注釈そのものの意味は疑問が残ります。
専門性は高いものの、結局して何が言いたいのか?ということを適切に説明できている本ではなさそうに感じます。