バットマン マスク・オブ・ファンタズム [DVD]
価格: ¥2,100
ティム・バートンが手を引いた後の実写版『バットマン』シリーズは、芸術的ではなくなってしまったが、そのゆるんだ感じは土曜の朝のTVアニメシリーズで引き継がれ、TV版の製作スタッフがこの長編映画を作りだした。『バットマン マスク・オブ・ファンタズム』はアニメではあるものの、1960年代に人気を誇った実写版のTVシリーズ(ここから実写版『バットマン オリジナル・ムービー』が誕生した)よりリアルなタッチである。当初のコミック版「バットマン」シリーズが持っていたダークな魅力に加え、最近のコミック版「バットマン/ダークナイト」シリーズやティム・バートンが監督した2作の映画に見られる暴力性、ブラックユーモアが持ち味になっている。
本作品ではみんなの大好きなヒーロー、億万長者で悪と戦う分裂症のバットマンは悪名高いギャングたちが殺された事件を調査している。その間に、かつての婚約者や彼女の父親がゴッサム・シティに戻ってくる。回想シーンでは、死んだ親をしのんでいる若い男女が恋に落ち(女性は母をなくし、男性は父母をなくしており、実際2人が出会ったのは墓地だった)、女性が突然謎の失踪をとげるまで2人は恋人どうしだったことが明かされる。物語の中で、バットマンのコスチュームの由来やジョーカー(声の担当は、なんと『スター・ウォーズ』のマーク・ハミル!)の素性に簡潔にふれられる。荒れ果てたテーマパーク「ゴッサム・ワールド・フェア」で、バットマンは「マスクの怪人」(いつも煙に包まれて登場する。ギャングたちを殺したらしい)と対決し、ジョーカーと死闘を繰り広げる。全体的に、とてもおもしろく仕上がっている。(Andy Spletzer, Amazon.com)