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ザ・ラスト・DJ

価格: ¥2,520
カテゴリ: CD
ブランド: ワーナーミュージック・ジャパン
Amazon.co.jpで確認
   トム・ぺティは音楽業界と現代のポップカルチャーにうんざりし憤慨している。本作のタイトル曲は、ラジオ放送にいまだに残っている「最後の人間味ある声「について語っている。「Money Becomes King」はロックスターの成長と堕落についてのストーリーで、その物語自体が比喩になっている。「Joe」は、「おまえたち(アーティスト)が有名になれば、おれが金持ちになるんだ」という信条のレコード会社の最高責任者について歌っている。一方、「When a Kid Goes Bad」や「Lost Children」ではそのタイトル通り、21世紀の世界の憂鬱を歌っている。本作の詩的センスは素晴らしく、ブリトニーからスポンサー企業まであらゆるものを(「どの音楽もライトビールを欲しがらせようとする」と言って)叩いている。
   けれども音楽的にも、ぺティとバンドは以前と同じタイプのナンバーばかりプレイしているわけではない。本作ではクラシック・ロックからの引用も耳にできる。「Money Becomes King」はタートルズの「You Showed Me」のオープニングを思わせるし、「When a Kid Goes Bad」はビートルズの「I Want You (She's So Heavy)」のポップ・ヴァージョンと言える。それに、ピアノがフィーチャーされた本作最高のナンバー「Like a Diamond」は、まるでイントロ当てクイズである。この他のナンバーでも、この怒り狂った中年のロッカーはときどき足取りが重たくなるものの、とことん楽しませてくれる。(Bill Holdship, Amazon.com)