とても丁寧で慎重な説明です
★★★★★
実際買って読んでみて、
「あ、こんなコンピュータの基礎から解説しているのか・・・」
と思いはしたのですが、それは著者が、
「TCP/IPネットワークを理解するにはコンピュータの理解が不可欠」
と考えているからで、
全ページ数の半分くらいはハードウェアやOS、ネットワークの概説でした。
まぁ、そういった部分は他の本で十分読んではいたのですが、
核心のTCP/IPの説明になったときに、
「第○章の○○の項目で説明したように・・・」
と前振りが活かされる感じで説明されており、
「あぁ、そういうことね。なるほど」と納得しながら読み進めております。
ちなみに、章立ては、
第1章 TCP/IP入門
1.1 ようこそ、コンピュータとネットワークの世界へ
1.2 TCP/IPで何ができるか
1.3 TCP/IPの特徴
1.4 TCP/IPを学ぶにあたって
第2章 ネットワークとコンピュータ
2.1 コンピュータの基礎
2.2 ハードウェアの基本要素
2.3 バッファ、キュー、スタック、キャッシュ
2.4 コンピュータのデータ表現
2.5 ソフトウェアの基本要素
2.6 プログラムの動作原理
2.7 OSの役割
第3章 ネットワークの基礎技術とTCP/IP
3.1 TCP/IPの登場にいたる背景
3.2 ネットワークによる接続
3.3 ネットワークの種類
3.4 TCP/IP技術の構成
3.5 ネットワークの性能
3.6 ふくそうとパケットの喪失
3.7 ハードウェアとネットワーク
第4章 IPはインターネットプロトコル
4.1 IPの目的
4.2 IPアドレスとネットワーク
4.3 IPとルーティングテーブル
4.4 IPのエラー処理
4.5 IPとデータリンク
4.6 ルーティングプロトコル
4.7 コンピュータ内部のIP処理
第5章 TCPとUDP
5.1 TCPとUDP
5.2 IPそのままのUDP
5.3 非常に複雑なTCP
5.4 UDPとTCPの処理
第6章 TCP/IPアプリケーション
6.1 ネットワークとアプリケーション
6.2 World Wide Webのしくみ
6.3 電子メールのしくみ
6.4 マルチメディア通信
第7章 IPを助けるプロトコルと技術
7.1 DNS
7.2 DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)
7.3 NAT (Network Address Translator)
7.4 セキュリティ
7.5 暗号化
7.6 IPv6
付録A ヘッダフォーマット
付録B IPアドレスに関する情報
付録C 代表的なポート番号
ってな感じですが(長い・・・)、
とても慎重にTCP/IPに進んでいるのが分かると思います。
で、僕としては第5章だけでも「あぁ、そうなっているのか」と新しい発見があり、
今の仕事で取り組んでいるアプリに関わってくるので、タメになりました。
まぁ、欲を言えばもう少し第5章の分量が多ければ良かったんですが、
タイトルが「入門」なんで、これくらいが最適と判断されたんでしょう。
この著者の本はとても分かりやすくて良いですね。