ネットワークはなぜつながるのか? この問いに対して専門の技術者は、それぞれの専門に応じた答えを言うだろう。通常のインターネットワーキングの技術者ならばプロトコルのしくみを述べるだろうし、伝送技術の専門家は信号方式について述べるだろう。光ファイバーの技術者ならばモードについて語るかも知れない。そのすべてに精通している技術者はなかなかいない。
本書はこの部分に焦点をあて、初心者向けにネットワークのテクノロジーをわかりやすく解説した入門書だ。ユーザーレベルの読者でも理解できるように、Webブラウザをスタートとして、TCP/IPを介してLANアダプタから信号が送出され、ハブ・スイッチやルータを通してISPへ至り、光ファイバーのバックボーンを通ってサーバに到着するとういう経路を詳しく追って解説している。その過程でユーザーが入力したURLからHTTPメッセージを発行するしくみや、DNSのしくみ、TCP/IPルーティング、ツイストペアケーブル内での信号伝送の構造、ADSLのしくみ、そして光ファイバー伝送や、サーバー防御のシステムであるファイアウォールの動作までも取り扱っている。
初心者向けであり、通信のやりとりを主題にすえているため、読み物として最初から順番に読んでいくことができるのが魅力である。ソフトウェアの実装から通信路の物理的な特性に関わる部分(ツイストペアがより線で構成されている理由やファイバー内の光の伝送形態など)まで幅広く述べられているので、ネットワークにある程度精通している人でも知らない部分はきっとあるだろう。
ネットワーキングについて解説した書籍は多々あるが、アプリケーション層から物理層に至るまでの基礎知識をカバーしている書籍はなかなかない。その点、本書はユーザー端末から通信の経路をたどっていくアプローチにより、うまく一連の解説をこなしている。ネットワーク技術に興味のある人はぜひ読んでみて欲しい。(斎藤牧人)
DNSからIPアドレス、MACアドレスへの変換
★★★★★
WEBがつながるのに、URLのうち、ドメイン名から、IPアドレスに変換し、最終的にはMACアドレスになるまでの道のり。
知らない人には魔法のようなものかもしれない。
初心者向けならいかに魔術らしく教えるかが課題かもしれない。
探検気分で基本的知識が得られます
★★★★☆
「ネットワークはなぜつながるのか」という素朴な疑問を、Webブラウザが要求を出してから、Webサーバに辿り付き、そして戻ってくるまでの過程を辿る事で平易に解説した本。ネットワークの専門書ではなく、日頃の疑問を解消したい方、これからネットワークの勉強に取り掛かる方に有効だと思う。
まずはWebブラウザの要求時の動作で、DNSサーバーによる相手先IPアドレスの入手など、TCP/IPプロトコル用の送信データの作成法。ついで、TCP/IP自身の詳しい説明。続いて、通信経路の機器、ハブ、スイッチ、ルーターの説明。インターネットに出てからの通信回線の代表例としてADSLの話。本書が出た頃は、ADSLはさほど普及していなかったので、その面の参考にもなったと思う。そして、目的地Webサーバの話と返信データの作成法。
本書中にも書いてある通り、"探検ツアー"をする感覚で読み進める事ができる。本書は好評だったようで、第2版が出たそうだ。ネットワークに関心のある方には道先案内人として好適な書。
ムラがある…。
★★★★☆
この本は、ムラがあり過ぎると思います。読むべきところは、より細かく、よりよい知識を提供してくれます。自分が特に印象残った部分は、「DNSサーバの原理」や、「ウィンドウ制御方式」、「ADSLの変調方式」、「光ファイバの仕組み」など、他にも多くの部分で、より正確な知識を身につけることが出来ました。ブリッジやリピータなどのLAN間接続装置の説明では、機器の内部で、パケットが流れていくポートの方向を、どのようにして制御しているのかを、図を用いてより具体的に解説していました。また、パケットが信号に変換されている際には、それを波のグラフなどを用いて物理的に説明することで、より視覚的なイメージも作ることもできました。これらの内容については、とてもためになったと思っています。
しかし、それらのメインの話題からいったん脱線しますと、はっきり言って、どーでもいい内容が長々と紹介されていることが多く、この本を読み終えた今の感想としては、それらの箇所をショートカットしたほうがよかったのではないかとも、思っています。
役にたちます。
★★★★☆
LANの基礎を具体的に書いてあります。
インターネットの接続の詳細がわかりますので役にたちます。
読んでためになる本
★★★★★
TCP/IPの構造からブラウジングと詳しく書かれている。とても読んでためになる本です。皆さんも読んでみるとよいかも。