内容的には、入力・演算・出力から始まり、ハードウェアとソフトウェア、プログラミング、データベース、ネットワーク、SEの業務知識と、コンピュータの初等教育で扱われる内容をほぼひととおり網羅している。確かに、新入社員研修でもそのまま使える内容ではあるのだが、用語をできる限り並べるようないわゆる「テキスト」とは異なり、コンピュータを理解するうえで重要なポイントをできるだけ掘り下げようとしている姿勢が大きな特徴と言えるだろう。例えば、ハードウェアの説明をするために、回路図の読み方やCPUのピンの役割まで解説する。その一方でオブジェクト指向プログラミングやXMLなど新しい技術もわかりやすく説明しているので、レガシーな知識をバランスよく習得していけるようになっている。
基礎知識を持たない新人文系SEにも最適だが、受験勉強で年号だけを覚えるような虚しさを技術に対して抱いてしまっているベテランにも、高校の教科書を読み返すような感覚で目を通してほしい。(大脇太一)