本書は、プログラムがどう動くのかを図解入りでわかりやすく解説した楽しい読み物である。基本的にプログラマーを対象としているが、各章末には丁寧な語句説明がついているので、コンピュータのしくみを詳しく知りたい人や、これからプログラムに挑戦する初心者にもおすすめできる。
内容は、CPUの内部にあるレジスタ、制御装置、演算装置、クロックの説明とこれらがプログラムに対応してどのように動作するのかという解説に始まり、2進数による四則演算、論理演算の説明、小数計算における問題点、メモリとディスクの関係、データ圧縮のしくみ、プログラムが動く環境、OSとアプリケーションの関係、ハードウェア制御の方法など、プログラマーが知っておくべきあらゆるトピックが網羅されている。適宜アセンブリ言語やC言語のコード例が示されているので、具体的にプログラムの動きを理解することができる。また、プログラマーを悩ますポインタ、配列などの解説やメモリを節約するプログラミング手法など、実際のプログラミングに役立つトピックも掲載されている。プログラミングをひと通りマスターしたプログラマーにとっても、じっくり読めば参考になる部分が多いだろう。プロ、アマを問わずすべてのプログラマーにおすすめしたい1冊である。(土井英司)