でかすぎるエディタ
★★★☆☆
emacsというエディタ自体がエディタを超えた総合環境とも言える巨大なソフトウェアなので、仕方がないことだが、この本の内容は全体的にその諸機能をざっと概観するだけで食い足りないものがある。
とはいえ、わたし自身はこの本ではじめて、emacsの総合環境としての機能の使いかたを知ったのは事実なので、入門書としていいと思う。
しかしながら、日本人の物書きとしては、viせよemacsせよ、unix起源のいわゆる伝統的なエディタが日本語文章の作成ツールとして適当なのかは全く疑問(例えば単語登録の仕方を参照せよ)で、普通はもっと軽快で直感的な操作が可能なエディタを選ぶはずである。
入門書とはいっても、この本はエディタで文章を書くのではなく、emacsというソフトウェアをハッキングすること自体を目的としている人のための入門書と言えるだろう。
Emacs始めの一歩に
★★★★☆
本書はタイトル通りのEmacs入門書です。Emacs特有のキー操作から始まり、Emacs-lispに終わります。実際の動作も図を交えて上手く説明してあります。広く浅く書かれているので、普段は上下前後移動、保存のキーしか使っていない人が、そろそろEmacsというものを使ってみるかと言うときに参照する程度の内容です。Wnnによる日本語入力の説明もありますが、現時点(2006年1月)では、Wnnより遥かに使い勝手の良い入力システムがありますので、無理にWnnを入れることもないでしょう。いずれにせよ、Emacsを使うには熟練を必要とすると思いますので、この本を買ったからと言って一気に作業効率があがるというわけではありません。ただ、特に使い始めではWebでHowtoを読むより実際に書物を手元において必要なことを索引から見つける方が効率の良いことも確かです。この意味で、本書はとても有用です。
Emacs入門に最適。
★★★★☆
LinuxやBSD,MacOSXの各々の場合についてEmacsのインストールから日本語の使用、各コマンドの説明があります。とくにMacOSXなどは日本語化が特殊なので結構重宝しました。
C-やM-のコマンドも丁寧に解説してあり、高機能ながら操作性が特殊なEmacsを使うはじめの一歩を提供してくれます。