黒の悪魔本
★★★★★
「4.4BSDの設計と実装」、赤い悪魔本の続編にあたる本です。プログラムやハードレベルでのOSの設計について詳細に解説しています。赤い悪魔本と比べ、現在のカーネル実装の構造に近くなり、学習書として広く勧められる一冊になっているかと思います。
私は通信屋なもので、TCP/IPスタックについてを読むために購入しました。プロセス間ソケットやTCP/IPスタックについてが詳細に説明されており、パケット構造からネットワークを理解することができます。OSの側面からネットワークの仕組みについてを学びたい人に勧めたいです。
内容が豊富で、読み応えもあります。挫折しそうにもなりました。プロトコルスタックについてを学習する目的でしたが、読んでみるとOSが様々な技術の集合であることが良くわかるもので、ファイルシステムとかメモリ管理など専門外の技術も魅力的に見えてきて楽しいです。
FreeBSDの内部構造解説
★★★★★
前作「4.4BSDの設計と実装」の続編にあたる,UNIX-OSの一つであるFreeBSDの内部構造解説書."The Design And Implementation Of The Freebsd Operating System"の日本語訳.
FreeBSDは,一般にはLinuxほど有名ではないが,コンピュータやインターネットのプロの間では,Linuxよりも信頼され多用されているOSである.
作者は,前作と同じバークレー大の4.4BSD開発者チームコアメンバーと,現在のFreeBSDにおいてIPv6の実装を担当するネットワークプログラミングの専門家.前作では日本語訳の品質に少なからず問題があったが,今回は,1983年からBSD系OSを使用し,業界でも著名なUNIXエンジニアである歌代和正氏が数ヶ月集中的に行った翻訳で,訳文も改善されている.
FreeBSDに限らず,最新のOSの内部構造について勉強したい人,基本ソフトウェア,特にOSやプロトコルスタックに興味のある,学生や若いエンジニアに,特に推薦したい.