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びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)

価格: ¥6,107
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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いまいち ★★☆☆☆
館シリーズは全部読んでいますが、この作品はおもしろくなかった。
他の作品とは別人が書いたような印象をうけました。
仕掛けより人物重視 ★★★☆☆
著者の「館シリーズ」は、
登場人物たちの人間性と館の仕掛け(奇異な装飾品など)の意外性が織り交ざって、
それぞれ独特な「館」の形を作っている。

ほとんどの場合、この2つの要素が作中で占める存在感や重要度は半々程度の割合だが、
今作では多分に人間性(特に異常性)の方に特化されている。

老主人の「びっくり館縁起」はその最たるものだが、
それに使用された人形リリカについて後に判明する真相と、彼らをそこに至らしめた邪悪さの根源、
そして結果としてそれを覆い隠す手伝いをしてしまった語り手が、最後に青年の中に見たモノ……と、
2度読めば、随所に張り巡らされた小さな伏線が理解できると同時に、
改めて登場人物たちの人間性を分析することが出来る仕様になっている。

また、従来の「館シリーズ」は館の輪郭や内装について詳細に記載されているので、
そこに含まれるものを予測したり、推理の材料としたりという楽しみがあったが、
この館では部屋の内装についてあまり触れられておらず、
仕掛けらしい仕掛けがあったのは殺人の起きた1部屋のみである。

そして、すべての「館シリーズ」に登場しそのほとんどで探偵役に廻ることが多い鹿谷門美が、
名乗ることもなく「あやしい男」として認識され、真相どころか事件にすら関わらず退場する。

効果的であるともとれるが、これらのことを残念に(物足りなく)感じた方も多いかと思われる。

一方で、「罪とは何か」を提起する部分もあり、誰もが抱えているだろうジレンマを彷彿とさせ、
語り手たちが取った行動に対し、ある種の共感を覚えさせる描写もある(これは完全に読み手次第だが)。

良くも悪くも「館シリーズ」の中で特異な作品になったことは間違いないだろう。
衛星のような作品 ★★★★☆
この作品は「館シリーズ」としてとらえてしまうと?ということになります。しかし、だからといって内容がおそまつだとか子供向けに書かれたものでは決してありません。氏は短編作品も出していますが、そちらに近いものがあるかもしれません。子供向け?という点ではかつて赤川次郎氏が集英社の「コバルト文庫」に「吸血鬼」シリーズを出してそれなりに成功したように綾辻氏もそれを意識したものでもないでしょうが、新しいジャンルを試したと受け取れなくもありません。この作品の特徴はストーリーの奇抜さや斬新さ、トリックの種明かしよりは登場人物の描写に主眼を置いた点にあると思います。一人一人の登場人物が生き生きと描かれており、読み進むにつれてファンというか応援したくなる人物が出てきます。ストーリーは淡々と進み、途中での「意外感」はありません。ところが、それまで1本の線できたものが最後になってまるで打ち上げ花火が開くごとく複線的な結果を生み出します。ストーリーの種明かしという「読みどころ」は氏も紹介されているように「びっくり館縁起」の項目ですが、事件が収束した10年後の「びっくり館再訪」が本当の意味での真実であり、ストーリー的にも「結末」というにはあまりにも「余韻」を含んだ印象的なエンディングです。これはよくホラー映画なんかで見せる手法ですね。映画なら続編を予感させるラストです。さしづめ「びっくり館の殺人ー青春編」ってところでしょうか。ストーリー構成、展開とも申し分なく、謎解きに主眼を置いた本格的「館」ファンには変化球と写るかもしれませんが、これはこれで立派な「綾辻ワールド」だと思います。あたかも惑星を守る「衛星」のように・・。マイナス1点の理由も特にないのですが、肩透かしを食らったという本格的「館」ファンの心情に同情して評価4とします。
がっかりした人はもう一回読むといいよ! ★★★★★
mixiの綾辻コミュニティに詳しく書いたんですが、この物語には語られなかった真相が背後にでんと控えてる。でも、作者は最後までそれについてはひとことも触れない。
だって、語り手はひとりだから。彼が知らなかったことは、起こらなかったことと同じ。
だから、ミステリファンが眉をしかめたとってつけたような幻想シーンが最後にあるんですね。
そこで、おや、と思った人は、表面的に明らかにされた「真相」に疑問をもってもう一回読み返すかもしれない。
けっ、と思った人はもう二度とこの本を開かないかもしれない。
どっちの態度が正しいってわけじゃないけど、作者は少なくとも二度は楽しめる物語としてこれを書いたんじゃないだろうか。
『虚無への供物』へのオマージュとして書かれたというのは、ガジェットをちょちょいと拝借しましたよってだけじゃなくて、『虚無』がもつ構造的な部分(殺人はあったのか、なかったのか?正統派ミステリとしてなんの破綻もない『虚無』がなぜアンチ・ミステリと称されるのか?)にチャレンジしたって意味じゃないのかな。
傑作じゃないかもしれない。でも、こんな意地悪なメルヘンはそうそうない。
『びっくり館』にはセクシャルな暗喩やサタニズム的な符合が、目立たないように、そこかしこに散らばっている。
そう、ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』みたいに。
また中途半端な・・・ ★★☆☆☆
ミステリとホラーの融合を目指すのは別に構わないんですけど、
ミステリならもう少し遊び要素と言うか、選択肢が欲しいですね。
予想通りの展開に正直、がっかり。

ミステリというジャンルは自分で自分の首を絞めるようなジャンルなので
仕方ないですが。
好きな人は好きかも知れないし、今まで綾辻作品を読み倒していなければ
楽しめるかも。

いっそ、『十角館の殺人』位、ぶっ飛んでいれば、そういう話として楽しめますが、
これは登場人物が中途半端に普通なので、設定の不自然さが際立って辛いかも。