それは値打ちというものはモノにはなくて、人の心にあるからなのだ。
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「開運!なんでも鑑定団」で鑑定をしている中島誠之助さん。
テレビで拝見していると依頼人がもってきた品物がニセモノのときでも「いいおはなしですね。」「大切にしてくださいね」とやさしい言葉をかけています。
この本に
「それを伝えてきた人の気持ちが一番尊いのだと思っているから、その気持ちに対して」
その言葉が自然に口から出てくるのだと書かれてありました。
相手の心情を慮った外に、出品された品物にある「気持ち」という値打ちを表現していたことを知りました。
そのほかにも、
「美術的要素が深遠な」ものは「後年になって鑑賞した時に小さく見える」
といった、鑑賞する際の心得
「正倉院の宝物にニセモノが一点たりとも含まれていない」
「金銭的な値打ちの全くないものに、日本人は老若男女おなじように感動できるという特殊技能を共有しているのだ。」
といった、日本の文化の特徴
などがエッセイで語られています。
真贋を見分ける事ができる著者でなければ書けない内容がたくさん詰まっていてとても読み応えがあり面白い本でした。