一瞬だからこそ永遠たるその光芒
★★★★☆
氏の「人物ノンフィクション」集の最終巻。松井秀喜、小川良樹、福永祐一、北橋修二、上田利治、伊達公子、岡野功、古賀稔彦、谷本歩実、仰木彬の10氏を描いた七編からなるスポーツ集である。個人的には、プロ野球監督である上田(10.22の死闘)そして仰木(10.19の死闘)の両氏を扱った二編が何と云っても秀逸であった。
「勝負師とは”いい人”ではなく、人を押しのけて我を通す”嫌われ者”なのだ」(103頁)。
「スポーツ選手のありようも、またその内面も時代とともに移り変わっていく。だれもたまたま遭遇したその時代において時代的に生きるよりないのだ」(193頁)。
記録よりも記憶・・・