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人物ノンフィクション〈2〉表現者の航跡―後藤正治ノンフィクション集 (岩波現代文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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表現者は「何」を考え行動しているか。さすが後藤正治!という好著 ★★★★★
主に「AERA」に掲載されたものがメインになっているが、
雑誌掲載のものに大幅に加筆されている。
今回のテーマは「表現者」だ。

クローズアップ現代のキャスター「国谷裕子」、
今や伝説ともなった「オノ・ヨーコ」、
ハードボイルドの道を突き進む「北方謙三」……
そして白眉は、皇太子殿下である。
殿下の苦悩がそのまま、控えめな言葉だが伝わってくる。
よくぞ書けたと思う。
バッシングもある中、基本的には後藤正治は殿下に好意的である。
批判もない。
それは、人物の負の部分をあえて描かないという後藤正治の
執筆スタイルそのままでもある。

皇太子殿下も、何かを表現しようと苦悩しているのだ……と言いたいのだろう。
佐野眞一のようなヒステリックさのない後藤のノンフィクションは
読む者を安堵させる。
それが物足りないという人もいるが、私はそれでいいと思う。
それが後藤正治の個性なのだから。
表現者たちの内面や心象風景を捉えて秀逸 ★★★★☆
本書では、オノ・ヨーコ、北方謙三、国谷裕子、皇太子徳仁、内田樹、高樹のぶ子そして森毅の7氏が採り上げられる。直接のインタヴューによるものではないが、印象に残ったのは皇太子徳仁の一編。大学そして大学院で彼が何故「交通史」を考究したのか、その意味を知ったときには皇太子への親近感を覚えた。

「人はだれも、青春の季節を、多分にとんちんかんに彷徨しながらやがて自分自身に出会っていく。それから、仕事がはじまる」(57頁)。
「要するにふた時代前の常識しかいっていない」(201〜2頁、内田樹の言葉)。
「体験を生かすとは、それを忘れることではなく、体験を手放さずにいながら同時に、それから自由になることでもあろう」(227頁)。
「生きるうえで、人は理念を求め、理屈を語る。けれども、・・・ 人間は多分にもっと生理的存在である。それがもっとも露になるのが「ベッドの中」」(232頁)。
「君ら大学の数学ってよくわからんやろ。だけど、わからんことを抱えておくというのも、人間、オツなものやないか」(262頁、森毅の言葉)。

本集の3巻目も楽しみである。