本書は、その高橋がなりが、若者たちに向けて送った熱いエールである。ここで語られる成功の法則には、何の科学的根拠もないが、ビジネスが人と人との関係性のなかで成立することや、個人の能力が努力やモチベーションによって左右されることを思えば、決して無視することはできない。むしろ成功者だけが知っている「金言」なのかもしれない。
「義理という人生の道標に従って生きればいいのに」「『信用』という財産は転落防止ネットにもなるのに」「自ら退路を断って『ヤルッきゃない』と思えれば、必ず神風は吹くのに」など、シンプルながら深みのある言葉が、読者のチャレンジ魂を呼び覚ます。『あずみ』などの作品で知られる北村龍平監督や、ラーメン「中村屋」店主の中村栄利などとの対談も、読者のモチベーションを高めてくれるだろう。(土井英司)