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横山大観の世界

価格: ¥2,160
カテゴリ: 単行本
ブランド: 美術年鑑社
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日本画の第1人者として、人気と実力を誇った横山大観 ★★★★★
明治・大正・昭和という激動の時代を生き抜いた大観の数々の画業を丹念に紹介している作品集です。本書では大観の代表作といえるものをほとんど網羅しています。伝統的な日本画をベースに近代化へとむかった日本画の変遷の歴史において、燦然と輝く巨星・大観の画業を俯瞰できるように編集されています。

文化功労者の高階秀爾氏による「横山大観の芸術と日本の近代絵画」も大変素晴らしい解説でした。美術評論の第1人者である高階氏の学識と見識がそこに現れており、大観という画家の存在がいかに大きかったかを示すものでした。

本書の表紙に使用されている六曲一双、2枚組の屏風「夜桜」が好きです。群青の夜空を背景に、爛漫の咲き誇る桜と燃え上がる篝火の美しいコントラストが際立っている作品です。

精神的な師として仰いだ岡倉天心が退官させられた時の心境を絵に表した「屈原」は鬼気迫る迫力で伝わってきます。風格もあり、威厳もあり、孤独感も理解できます。明治の日本画で、これほど明確に描くべきものを主張している作品は見当たらないですね。

40mにも及ぶ「生々流転」、初期の「無我」、「流燈」、「柳蔭図」、晩年の「ある日の太平洋」など、どれも素晴らしい作品が掲載されています。これらの作品は、雰囲気も十分に伝わる編集がなされています。
巻末の「横山大観作品収蔵主要美術館ガイド」は、実際に大観の作品と対峙するのに必要なデータですし、「横山大観略年譜」はその足跡をたどるのに不可欠なものです。
日本画の原点、日本のあるべき姿 ★★★★★
 横山大観の代表絵画、オールカラー図版で40点が掲載され、一点一点丁寧な解説がある。
「屈原」は大観一代の力作で、悲愁・凄惨の気溢れる。大観の鋭敏な感覚の一端を知ることができる。追放されてなお潔癖を貫く屈原を、同じく追放された岡倉天心になぞらえて描いたと言われる。
「夜桜」は本書カバーにも使っている六曲一双の紙本彩色の装飾画。ローマで開かれた日本美術展の出品作品。世界に日本画を知らしめることは、岡倉天心の主張であり、それはそのまま大観の念願でもあった。制作に五ヶ月を労した名作で、大観装飾画の最高峰である。
「白砂青松」は絹本彩色、晩年の佳品で、日本人が失ってはならない美しい自然の風景である。海浜は汚れ、松は枯れることの多い昨今、日本のあるべき姿の原風景を描いて、我々に啓示を与えてくれているような気がしてならない。
 大観は明治元年生まれで、明治・大正・昭和と90年を生きた画家である。日本画のあるべき姿を平成に、21世紀にどのように継承していくかを考えてみなければなるまい。