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画集 川合玉堂の世界

価格: ¥2,160
カテゴリ: 単行本
ブランド: 美術年鑑社
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国民的画家 川合玉堂の素晴らしさ ★★★★☆
94頁、ほぼ正方形サイズの絵画の書です。代表的名作図版が63点収録されており、実際はこれだけの作品を一同に見ることはまず不可能ですし、何回も繰り返し細部の点までじっくりと鑑賞できるわけで画集の存在は有難く受け取っています。

まず、10頁に掲載されている17歳の時に描かれた大作の屏風「老松図」に心を奪われました。素晴らしい筆運びです。年齢を伏せますと、大家の晩年の作品だと絶対に見間違います。風格もあり、枯れた作風すら感じました。

川合玉堂の風景画には常に人が登場します。絵から受ける印象としては温かみもあり、彩色の箇所自体から画家の心情を通してのぬくもりが感じられます。雪舟風の水墨画も同様で、深遠な景観の中に、ポイントのごとく人物が配置されることで、鑑賞者は作品の厳しさと対峙しながらも、息を抜ける部分がある、というのは大きな特徴であり個性でもあります。21頁の「渓村春雨」に典型的に表れていると思いますが、日本人の心象風景を見事に描いていますね。

30頁にある琳派風の六曲一双の屏風に描かれた「紅白梅」は、他の作品と作風が違っておりますが、風格と言う点では、一番にあげられる作品でしょう。左右に張り出した梅の枝の一本一本が上に伸びようとする大胆さと細部にまで丁寧に描かれた繊細さが同居し、見る者を圧倒する迫力に満ち溢れています。

玉堂は、俳人でもあり、歌も詠みます。書も達筆で絵と俳句(短歌)と書という三位一体ともいえる総合芸術的な作品も残しており、多様な素晴らしい能力に恵まれた方だと感じました。