日本語の本ではほとんど未紹介の空白期間を解説
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日本でもキリスト教美術の本は多く出版されているが、ほとんどが有名な画家、彫刻家の活躍するルネッサンス以降の本で占められている。それ以前の時代はロマネスク・ゴシック時代の教会建築の本を除くと良書は若干しかありません。本書はそのような出版上の空白期間を扱った最良の一冊だと思いますので、この時代を知りたい人には必読の本だと思います。
内容は建築、モザイク、フレスコ画、写本、工芸品などのサイズが大きく解像度の高い優れた図版を用い、最新の研究成果を織り交ぜて解説してあります。ただし、量的にも読み応えのある文章であり、入門書としては難しい方だと思いますので本格的に勉強したい人向けであると感じました。
また、旅行前の予習としても本書は最適です。特にラヴェンナ、シチリアおよびビザンティン美術目当てでギリシア、トルコに行かれる方にお勧めです。