しかもミースの記事だけ少なかったみたいで、代わりにバウハウスの記事を載せてごまかしてます。(もちろんミースはバウハウスの校長をしていたこともありますけど、ミースが全然関係していない作品まで普通に載せられています)内容としてもさほど新しいことは載っていないので、専門家やマニアの方にはお勧めできません。
ですが近代建築の入門書としては、カラー写真も多いし、けっして悪い本ではないと思います。それから、カーサのバックナンバーのコルビュジエ特集(2000年春号)は、今となっては入手困難なので、その内容がそのまま転載されているこの本は、なかなか貴重です。例えば、ラ・トゥーレット修道院の宿泊連絡先を載せている本は、他にないでしょうから。
大型の雑誌本ですので、写真が主体で、解説にはやや物足りなさも残りますが、サヴォア邸、ファーンズワース邸、落水荘といった超メジャーどころから、「これもこの人が設計したの」といったものまで、沢山の物件が掲載されており、その建築の美しさや、時には奇抜さは見ているだけで楽しくなり、思わず実物を見にでかけたくなります。
その建築が持つ意味等は、詳細な本に譲るとして、価格も手頃ですので、巨匠の建築入門としてお奨めできる雑誌です。