この本は、ル・コルビュシュ自身が、その家について、その立地環境から、建物をとりまく外壁の意味、素材、そして、家自体の構造、デザイン、動線まで、こと細かく、写真(幾分古いけれど)や、彼自筆のデッサン画を交えて、丁寧に説明してくれています。
ほんとうに小さな家だけれど、居間、浴室、洗面所などドアのない連続した空間。家全体を回遊できる設計。屋上は50センチの土を入れたエコ住宅。建物の南側に連続してとられた長い窓。・・・ 見るべきところも多いのですが、なんといっても素敵なのは、写真と、文章だけなのですが、そこから、暮らしの中の小さなドラマのシーンが見えてく!るというようなところでしょう。
ここで誰かとおしゃべりしていたり、ここから外の風景をみていたり、あそこに座ってお茶を飲んでみたくなったり・・・
それこそ、封筒サイズで、100ページ足らずの薄い本(家)から、広がる世界はとても大きい。と、思います。