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王を探せ 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)

価格: ¥170
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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それか ★★★☆☆
 1981年にカドカワノベルズとして出たものの復刊。
 いくつものトリックが詰め込まれて秀作。なかでも、何人もの同姓同名の人物のなかから犯人を捜し出していくという趣向が面白かった。倒叙もののように見えて、そうではないというひねりが楽しい。
 メイントリックはふたつともアリバイもの。ひとつはなかなか。ひとつはいまいち。
 あとがきでトリックをつくる際の苦労話が暴露されており、こちらも興味深かった。
 これで文章さえ良ければ言うことはないのだが。
犯人の名は・・・ ★★★★☆
この犯人はズバリ○○○です。と別に伏字にせずにハッキリと書いてもかまわないミステリです。かと言って倒叙ミステリというわけでもありません。名前がわかっていても、同姓同名の容疑者が何人かいて、その中のいったい誰が真犯人なのか?といった趣向のミステリです。

同じ名前の人物が何人か登場するので、ややこしいと思われるかもしれませんが、一人一人がキッチリと書き分けてあるので、いちいちページをめくって確認しなおし、などと面倒なことをしなくても大丈夫です。

基本はアリバイくずしなのですが、途中にダイイングメッセージなどもでてきて(アッサリ解かれてしまいますが)、中だるみせずに最後まで読み通せます。

容疑者のほとんどがいかにも怪しいアリバイを持っているといったような、ミステリのためのミステリといった感じがして、つくりすぎたミステリはキライといった人には向きませんが、私はかなり楽しめました。