教科書と主張するだけのことはある充実した内容
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人事評価や人材マネジメントに関する本は沢山あり、私も実際に人事評価を行う立場にあるので結構な冊数に目を通したことがあるが、実務的なノウハウをここまで幅広く、深く解説したものはほとんどなかった。相対評価と絶対評価の違いなど、他書では実務的な解説がされていないような点についても分かりやすく書かれている。
また、人事評価の実務で行う様々な手順について、一つ一つ丁寧にその目的から説き起こしているのも印象的である。例えば「人事評価は権力の行使という側面がある」といった記述はあまり目にすることがないので新鮮であったが、管理職としての自分の役割を踏まえてみれば、確かにその通りであると感じ入った。著者の経験に裏付けられているのであろうが、共感する部分が非常に多く、これからの実際の評価実務においても、自分の意識の持ち様を含めた多くに役立ちそうである。