経済危機の対策が理解できる本
★★★★☆
本書はノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンが日本の読者に向けての
インタビューを書籍化した本です。
本書には今回の経済危機の対応が書かれています。
本書の特徴としてはなんといってもわかりやすいことでしょう。
分量も非常に少ないので、さらっと読めます。
経済学と書いてありますが、特に経済学の前提知識は必要なく、気軽に
読めるところがいいところです。
おすすめの本です
「危機突破」をめぐるクルーグマン教授の率直な意見・提言書!
★★★★★
クルーグマン教授の本はほとんど邦訳されているらしい。それも今に始まったことではない。本書もいわば「緊急出版」という体裁をもつ一書だ。巻末の若田部氏の周到な解説が示すように、本書はコンパクトながらも、クルーグマンの世界経済(危機)論を知るうえで貴重である。専門的な内容が語られているが、今の危機的世界情勢に関心を有するものには近づき易いだろう。副題にある、日本は「失われた10年」の教訓を活かせるかも示唆的だ。本書は日本への緊急提言書でもある。
扱われている内容は多岐に及び、逐一それを述べることはできないが、本筋とは逸れるが、わたしは「共通通貨圏という問題」(80頁)を論じた際の、それが潜在的に抱える「非対称的な経済ショック」の指摘、今後の先導的産業としてのヘルスケアの可能性はとくに印象深かった。また「財務長官になったらどうする?」という頻繁に聞かれる質問に対する、「できるだけ今はアウトサイダーとして役立ち、警鐘を鳴らし続けたい」との率直な(真摯な?)回答もなかなか面白かった。さすがにクルーグマンだけあり、今の世界で何が起きているのかを「冷静な頭脳(論理)」で説いている。
本書の最後は「私と経済学」と題するものだが、そこでの次の見解は是非とも引用しておきたい。「(立派な)経済学者にとっての究極の到達点とは何かといえば、それはすべての人が、世界を見る考え方を完全に変えてしまうような、経済学の視座を見つけることです」(148頁)。アダム・スミス以降の最も偉大な経済学者はケインズらしい(ケインズは「革命家」であったがフリードマンは「反革命家」であり、ケインズと同じ部類には属さないという認識あり)。クルーグマン教授のますますの活躍ぶりに期待したい。ノーベル賞受賞(2008年度)は彼にとっては「通過点」なのかもしれない。
一人でも多くの日本人が読み、経済について語るきっかけになれば・・・
★★★★★
振り仮名や基本的な用語の解説は無いが、普段日経新聞を読んでいる人であれば、十分理解できるレベルの言葉で書かれた1冊
が、そこに書かれた内容から得る事ができる知恵は計り知れない
我々が今の経済について考える時、判断の基準になる事柄をノーベル経済学賞を受賞した著者が教えてくれる
是非とも購入し読んで欲しい1冊なので、内容はについては書かないでおくが、個人的に1番気に入った言葉を1つ
「よき道徳はよき経済学である」
我々日本人、この言葉を念頭に置き、今回の経済危機を突破してみてはいかがだろうか?
コンパクトで軽い読み物。経済学とは別の意味で、参考になる。
★★★☆☆
インタビューをまとめたもの。簡単、短い、わかりやすい。
でも経済学というほど理論的な解説はなく、ある程度の
基礎知識が前提となっている。
その中で、クルーグマン氏とグリーンスパン氏との
微妙な関係、政府での自らの立ち位置についての
率直な意見など、普段あまり聞けない内容があって
面白かった。
メモしておくべき内容は、インフレターゲットの
導入が必要だ、と繰り返していて、これからの
10年間、平均4%のインフレを目標にすべきだと
述べている点でしょう。
財政刺激策だけでは、円高が進み、効果は消えてなくなる。
日本は、「失われた25年」に向かっているのです、と。
80分間世界経済一周の旅って・・・
★★★☆☆
解説者自らが言ってしまってる。だったら聖書版(?)のようなハード・カバーで大きな活字である必要はなくせいぜい新書か文庫で十分。しかも、雑談みたいな語りを文章化しただけ。たまたま居酒屋で隣に座っていたのが教授で飲みながら教えてもらった感じ。もちろん持論の「インフレターゲット論」と「流動性の罠」についてはブレていないが、この出版の後、アメリカ経済はさらに悪化している事実もあり、自国に対して、さらに言えば民主党政権に対しての甘さも・・・。「よき道徳はよき経済学である」との主旨は伝わるものの目新しい点もないので、それこそ文庫化されてから小一時間で読み進めればでいいのでは?