著者は、この世に完璧なものはないという。しかし、そのことはあまり認識されておらず、そのことがグローバル資本システムを脅かす可能性があると言っている。不安定であることを認め、だからこそ改善する余地が十分にあり、そのことが人類を進歩させてきたと著者は言う。
経済的にはグローバル化は実現しているが、それに見合うグローバルな政治を行うシステムがないことも問題と言っている。
この本は、賛成する・しないに関わらず、著者の鋭い考え方に触れることができ、読んだ人の世界観も広がるのではないかと思われる。
この本の内容で感じた事は、今起こっているグローバリゼーションは決して絶対的なものではないという事。アメリカンスタンダードといわれているこのグローバリゼーションも必ずどこかでつまずくということである。その最たるものがアジア通貨危機で、その反省を全世界規模で真剣に見直して行く必要があるように思う。これからの時代は個々の国の利益ばかりを追求する時代は終わ!り、人が本当に幸福に暮らしていけるためには何が必要なのか、何をしなければいけないのか、そういったことを一人一人が他人事とは思わず、真剣に考えて行く必要があるように思う。この本ではそう行った事を主に学ぶことができたと思う。