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グローバル資本主義の危機―「開かれた社会」を求めて

価格: ¥1,943
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞社
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10年後の今読んでも有益な著作―ソロスによる示唆に富む市場原理主義批判! ★★★★★
 原著は緊急出版の形で1998年に刊行されたが、それはちょうどアジアで勃発した通貨危機とその余波ともいうべきロシアでのメルトダウン(金融麻痺)の発生期に対応していた。ソロス氏の本書(2部構成)の刊行は実にタイムリーなものであった。10年後の2008年の現在においても、本書が有する価値は些かも減じていないというのが率直な読後感である。国際金融に関するやや難しい用語も登場するが、市場原理主義とそれを理論的に支える新古典派の経済理論批判をはじめ、グローバル資本主義の特質とそれが孕む深刻な問題性を、自らの実体験(投機・慈善活動)を踏まえて骨太・克明に描き出しており、興味が尽きない作品であった。コンパクトに整理された「まえがき」と「序論」も明快で、全体の読了後にふたたび眺めると理解もより深まるに違いない。

 本書で扱われている内容は多岐に及んでいるが、ソロス氏が最も主張したい点を指摘すれば、それは金融市場が本来的に不安定な存在であること(その根源的要因としての貨幣と信用、金融イノベーション)、そして「市場の力はたとえ純粋に経済、金融の分野に限ってみても、ひとたび完全な権限を与えられると混乱を引き起こし、最後にはグローバル資本主義システムの崩壊に道を開きかねない」(32頁)ということになろう。われわれは市場の自動調整作用に全幅の信頼を寄せる市場原理主義を否定するとともに、「均衡」概念に基づく主流派経済理論への批判的認識を共有する必要があると彼は説く。本書では、「相互作用性」、「誤謬性」そして「オープン・ソサエティ」という3つの鍵概念が設定されているが、それらは誤った支配的な思考様式から脱却するための道標であり、ソロス自身の社会哲学を反映した思想的概念でもある。市場的価値と社会的価値・本質的価値の区分の重要性や「理性の時代」から「誤謬性の時代」への移行の必要性、そして「われわれの時代の最重要課題は、普遍的に適用される、グローバル社会の行動規範を確立することだ」(322頁)という指摘など、示唆に富む内容が数多く盛り込まれている。

 なおソロス自身による、「私が金融の魔術師としての評価を受けていなければ、はたして読者はこの本を読んでくれただろうか」(303頁)という自問自答は面白い発想だが、私自身は何の「偏見」を持つことなく本書と向き合うことができた。投機・実務家、慈善家であると同時に、かのK・ポパーの著作に親しみそこから大きな影響を受けたソロスは、思想家・哲学者としての資質も十分に備えた多面的な人物である。10年後の今だからこそ本書をあらためて読み直す価値が高まっているとはいえないだろうか。多くの方に是非とも読んで頂きたい有益な現代的好著である。
また読み返したいです ★★★☆☆
聞きなれない単語が多くて分かりづらかったです。表面的な部分しか私自身が追えてなかったのが非常に残念ですが、一概に個人的な私利私欲で動いてるわけではないというのだけは分かりました。

ソロス氏がやりたい事と、国際情勢のギャップが何とも。今後どの程度まで個人と他人の境界が縮まるのか分かりませんが、幼稚な考えではありますが世界中の人が機会平等の社会であって欲しいです。
不安定であることの認識を ★★★★☆
投機家として有名なジョージソロスの著書である。

著者は、この世に完璧なものはないという。しかし、そのことはあまり認識されておらず、そのことがグローバル資本システムを脅かす可能性があると言っている。不安定であることを認め、だからこそ改善する余地が十分にあり、そのことが人類を進歩させてきたと著者は言う。

経済的にはグローバル化は実現しているが、それに見合うグローバルな政治を行うシステムがないことも問題と言っている。

この本は、賛成する・しないに関わらず、著者の鋭い考え方に触れることができ、読んだ人の世界観も広がるのではないかと思われる。

市場原理主義(Market Fundamentalism)に対する根源的な批判 ★★★★☆
現在この国の存在を脅かすグローバリゼーションという怪物。その申し子ソロスは、この世界資本主義の中で何故ここまで成功することができたのだろうか。それは彼が資本主義に対して斜に構えた視線を常に持ち合わせていた、つまり「金融市場は常に不安定である」ということを体で感じていたからだ。市場原理主義(Market Fundamentalism)がはびこる現状、ソロスの鋭い批判を受け止めなければならない。
グローバリゼーションとは ★★★☆☆
この本の著者であるジョージ・ソロスは世界でも有名な投機家であるが、一番この本を読んで感じた事は、ジョージソロスは投機家であるが、第三者の目から見た非常に冷静でかつ悲観的な書き方をしていると思いました。確かに個人的で偏った意見だと思われる個所もいくつか見られましたが、かなり鋭い考察をしていると思いました。

この本の内容で感じた事は、今起こっているグローバリゼーションは決して絶対的なものではないという事。アメリカンスタンダードといわれているこのグローバリゼーションも必ずどこかでつまずくということである。その最たるものがアジア通貨危機で、その反省を全世界規模で真剣に見直して行く必要があるように思う。これからの時代は個々の国の利益ばかりを追求する時代は終わ!り、人が本当に幸福に暮らしていけるためには何が必要なのか、何をしなければいけないのか、そういったことを一人一人が他人事とは思わず、真剣に考えて行く必要があるように思う。この本ではそう行った事を主に学ぶことができたと思う。