とてもよい本です
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ブラジルをはじめて知って15年の年月が流れ、ついにはブラジルとは
自分の運命ではないかと・・・気づき始めた今年に出会った本。
興味がありながらも、入り口でうろちょろていたシュタイナーの世界と
の接点を、気安く、シンプルに綴った本。
今後の私のブラジル人生を後押しするかのような本となりました。
気取りのない自然体の著書の温かい人柄が伝わってくる本でもありま
す。
世界でいろんな矛盾がさまざまな事象となって噴出しはじめた21世紀、どこに解決策を見出せばいいのか、世界規模の「人類関係」、
人類共通の問題にヒントを与える本だと思います。
ノンフィクションの読み物として、日常から一段高い視点で世界を考えるのに、愛を持って気軽によんで欲しい一冊です。
読者への親切な目線が好きです。
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日ごろ、ブラジルのファベーラなどには縁のない読者にも、著者は丁寧に語りかけてくれています。それは、著者自身のファベーラ体験が、ごくふつうの日本の若者としての出会いから始まったからでしょう。次に何が起こるのか、興味津津の気持ちで2年前に読み終えました。
その後も、著者の人生、著者の関わった人たちの人生、そして読者の人生のことを考えながら、繰りかえし読んでいます。この本が世に出て、14年を越えたようです。著者が取りあげているシュタイナーの発達段階でみると、14~21歳。高校生をはさんで大学生になりますね。14年たって、著者も、関わったファベーラも、ひろく知られるようになりました。
つい最近、ブラジルから来た方から、「モンチ・アズール」の子供たちの作ったきれいなカードをもらいました。嬉しくなって、本棚に入れていたこの本を引っ張り出して、何度目かの読書を始めた次第です。やわらかい著者の日本語もいいですね。人の温かさを感じます。
世界最大の貧富の格差を抱えるブラジル
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ブラジルのスラム街、ファヴェーラに南米旅行の途中で訪れた著者が、そこで現地の人たちと暮らした日々をつづったルポ。舞台となっているファヴェーラは「モンチアズール」と呼ばれる地区で、ドイツ人であるウテ・クレーマーが設立した住民協会が、健康・居住環境・教育など様々な分野にわたってシュタイナー教育をもとに住民との協力による改善運動をしている。著者はこの土地で協会の手伝いをするほか、自分の研究分野である性教育を生かし、当地で問題になっているエイズに関して子どもを中心に知識を広めるための独自の活動も展開する。世界の社会格差の実情、海外ボランティアなどに興味のある人には必読の一冊。