すでに古びた内容ゆえに逆に興味を引く部分も
★★★☆☆
事例の中に朝日ソーラーが載っている。本書は95年出版だが、その後強引な営業手法で世間の批判を浴びた会社である。21世紀のいま新興企業のIPOは花盛りだが、どんなに営業力があっても、モラルを批判される会社の栄華は長続きしない時代へと良い意味で変質しつつあるように思う。ベンチャー企業であればなおさらのことである。社長のリーダーシップを誉めそやす本書の描写は、そんな時代の移り変わりを逆説的に映し出している。
後半、ソフトバンクの孫社長が三つの明確なポリシーの2つめとして「圧倒的ナンバー1になれる事業以外はいっさい手を出さない」としていることも、ソフトバンクグループの現状と比較して考えると興味深い