著者が変われば分析も変わる の好例!
★★★★☆
日経の書評に惹かれ買ってみた。一橋大のプロジェクトチームがまとめた会心の作といえよう。
8章に分けての、中国でのブランディング・カテゴリー別分析。その背景から、最新事情までを伝えてくれているが、この手の本がとかく読みにくかったり、面白くないものが多いなか、吸い込まれるように読めるのは、斬新な事例とデータの面白さにあろう。
一例では、車のV.ワーゲンが、上海では詳細認知率、選好度、親近感の3点で他のメーカーを圧倒しているのにも拘らず、信頼感では逆に最低であり、他のメーカーの評価は殆ど大差ないというもの。即ち、中国ではまだブランドを区別するコンセプトを形づくれていない、というデータなど、データそのものを読むだけでも飽きない。
分析をする面々が、いわゆるコンサルタントなど変に頭の固い人でない点が、この本の魅力となっている。
「一橋ビジネスレビュー」が、心なしかHarvard Business Reviewより読みやすいのも、後者が訳本であることと同時に、上記の理由による気がしてならない。