文献による確実な歴史
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沖縄の歴史を太平洋または東アジアの諸列島という視点で捉えている。
文化の北上説と南下説の両方を紹介し、酒、染織、陶芸の3つの具体例を示している。
古代史が弱いという指摘があるとすれば、それは文献に比例しているという視点で見れば過不足ない。
文献のない事項と、文献のある事項とを、あたかも同一の価値かのように説くような、通史は素人受けしても、価値があるかどうかとは別の次元ではないだろうか。
日本史の一部として沖縄の歴史を説こうとする傾向に対して、明確な課題を提供していないかもしれない。それは、日本語で日本において歴史を記述しているためかもしれない。
本土自体が混合文化であるのに、沖縄はさらに強烈な中国と日本とアメリカの支配にさらされ、より混合文化の度合いが高いのかもしれない。
その意味では、古い日本の歴史の刻印を持っている以上に、東アジアの辺境らしい文化を持っているといえるかもしれない。
なるべくわかる範囲内の諸説を列記しながらも、確実な筋を導こうとしている姿勢がわかる。