ウズベキスタンに行きたい方必見!ガイドブックに書いてない国情のことがよくわかり、日本とのかかわり方が理解できてより旅が楽しめる♪
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著者の中山恭子さんと言えば、北朝鮮拉致被被害者参与ということで、知っていましたが、ウズベキスタン大使ということは
知りませんでした。テレビでお見受けする範囲では、とても上品でお声がやさしくかわいらしく、ましてやとても美人で、日本の外交にとっては、見た目はとても適していらっしゃる反面、対外交役としては、控えめすぎるのでは?というイメージがありましたが、この本を読んで、そんな不安がいっぺんに吹き飛んでしまいました。外務省勤務でお忙しいにもかかわらず、二人の男のお子様を育て、ご主人の中山成彬衆議院議員とは、ほほえましい夫婦関係を築いていらっしゃり、日本人女性の誇りだとも、文面から伝わって来て、勝手ですが、私に中では尊敬する女性の中に入りました。ウズベキスタンと日本との関係やら、テロにあって拉致された日本人救出劇の内容やら、シベリア抑留者たちの日本人墓地の整備やら、ナボイ劇場での「夕鶴」の公演やら、女性ならではのやさしい文章形態でむずかしい経済情報などの話題もすんなり理解できる表現方法が、読者の気持ちを柔らかく包み、この本に引き込んでいきます。私は、ウズベキスタンに旅行に行くことが決まり、地球の歩き方を読み終わり、もっと、ウズベキスタンの国自体のことが詳しく知りたくて、ネット検索している時に、この本に目がとまり、即購入して、大正解でした。日本という国の素晴らしさも再認識することができたし、ウズベキスタンの旅行中は、ガイドさんより、詳しく建物などの云われなどを説明できた程でしたし、行きたいところがピックアップできて、ガイドさんにリクエストができたので、価値ある旅行となりました。
知られざる国からのレポート
★★★★☆
女学生の感性が地の文章として基底にあり、他方においては政治家としての遠慮がちな発言が誰をも傷つけることのない善意に溢れた書物を作り上げている。ただ駐ウズベキスタンの特命全権大使時代に深く関与した1999年の日本人拉致事件に関してだけは例外的に日本外務省の尊大としか言いようのない対応を婉曲、間接的に批判している。よほど腹に据えかねたものと受け取ってよいだろう。
外交官としての視点が忘れられていないのは当然ながら、実際にはむしろウズベキスタンの一般庶民の生活、あるいは彼らとの交流を描いた文章の方にはるかに精彩がある。それこそが著者がもっとも読者に伝えたい主題であったろうと思われる。タシケントの舞台芸術劇場は戦後ソ連に抑留された日本人の労働によって建設された。この劇場と日本人墓地をめぐる話題は読者の心を揺さぶらずにはおかない。
私は短い期間ウズベキスタンを訪れる機会をもったがその僅かな見聞は著者が描くウズベク人の姿にすっかり重なり合うものであった。欧米世界に注目するあまりわれわれが忘れ去ってしまった「もう一つの」世のあり方を思い起こさせてくれる人たちがそこにいた。ウズベキスタンの都市はシルクロードの衰退とともに繁栄から見放された。その繁栄時代は今でも人々の心を引きつける多くの文化遺産として残されている。本書に盛り込まれた数多い写真もこの国への共感にあふれた本文と相まって存分に目も楽しませてくれる。これに歴史についての解説が加わりさえすれば鬼に金棒と思わせるウズベキスタン案内書である。
人柄がにじみ出る文章
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中山大使には2回お会いしたことがあります。1回目は2001年9月にウズベキスタン大使館で。もう1回は2006年2月に自分の勤務先で。とても上品で、透き通るような声が印象的な方でした。そうした印象の一方で、キルギスの日本人拉致事件や北朝鮮拉致事件では筋を曲げずに毅然とした態度をとられたことは、みなさんご存じの通りです。本書を読むと、相手のことを慮る優しさと信念を貫く強さが感じられます。人柄は文章に現れます。そう痛感する一冊でした。わたしも、人に読んでもらって恥ずかしくない文章を書けるように、生き方に精進しようと思います。
ウズベキスタンが好きになりました
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中山恭子さんの名前と美しい表紙に惹かれて購入しました。ほのぼのとした優しさにあふれる文章で、中山さんのお人柄がにじみ出ているように思われました。
人質事件での大使館の方々の奮闘ぶりには頭の下がる思いです。カリモフ大統領をはじめとするウズベキスタン指導者の方々の誠意あふれる対応、建国に向けての熱意も十分に伝わりました。
また森前総理は、たたきまくるマスコミ評価ような方ではなく、未来を見据え日本の国益を考えて行動する優れた政治家であることも垣間見えました。(佐藤優さんの著書の中でも感じた事ですが)
よく覚えてないのですが、この人質事件の解決のとき、日本のマスコミは表ざたにはできないが、お金で解決したような報道をしてたように思います。本当に失礼な話ですね。
日本人にそっくりというウズベク族、美しい町並み、控えめで誠実な人々。私もウズベキスタンに行ってみたくなりました。
ウズベキスタンの人々
★★★★☆
ウズベキスタンという国名は聞いたことがあっても、どんな国かはよく知りませんでした(^^;
著者が大使として活動された体験から紡ぎ出された文章は
ウズベキスタンの文化や経済、国民性や宗教など多様な方面におよび
その優しい視点の文章ともあいまってまるでウズベキスタンの
教科書のように感じられ、思わず旅行してみようかな?
という気になりました(^^;
また、人質事件に関わった当時の現地のスタッフや職員の努力と
献身ぶりは読んでいて泣きそうになりました。
現場にこういう人たちがいてくれることが誇らしくまた心強く思えました。
私達日本人が失いつつあるものを、ウズベキスタンの人達が教えて
くれているような、そんな本でした。
お勧めです。