著者はルポライターとしての自覚をお持ちなのでしょうか?
とくに取材対象の人物がいないすきにアルバムから写真を失敬する行為に驚愕しました。


本書理解の参考になるかと『サンダカンまで』も併読しましたが、高い処からしか語れない、著者自身の生き方にも問題が多いと感じました。


底辺に生きる女性を見つめるのであれば、本書を参考とせずに細井和喜蔵氏の『女工哀史』や『日本残酷物語(1)』(cf.第三章・弱き者の世界)を読んだほうがいいと思います。

同じ高さで見ていれば、もっと切実に底辺に暮らす女性の境遇を伝えられたのではないでしょうか。


弱者が排除されている今だからこそ、小さい者の声、声なき声を聞き、まとめ、出版して社会に問いかけることは大切です。


その先駆的取り組みとして本書の主題は星5つとしたいところですが、冒頭に上げた問題があるので一つにしました。

取材対象の選定、筆者の視点、本を作る構成力、文体の魅力。
そのすべてがノンフィクション文学として最高レベルにあります。
日本のノンフィクション史に輝く傑作です。
お勧めします。

著者はルポライターとしての自覚をお持ちなのでしょうか?
とくに取材対象の人物がいないすきにアルバムから写真を失敬する行為に驚愕しました。


本書理解の参考になるかと『サンダカンまで』も併読しましたが、高い処からしか語れない、著者自身の生き方にも問題が多いと感じました。


底辺に生きる女性を見つめるのであれば、本書を参考とせずに細井和喜蔵氏の『女工哀史』や『日本残酷物語(1)』(cf.第三章・弱き者の世界)を読んだほうがいいと思います。

同じ高さで見ていれば、もっと切実に底辺に暮らす女性の境遇を伝えられたのではないでしょうか。


弱者が排除されている今だからこそ、小さい者の声、声なき声を聞き、まとめ、出版して社会に問いかけることは大切です。


その先駆的取り組みとして本書の主題は星5つとしたいところですが、冒頭に上げた問題があるので一つにしました。

近代日本の貧しさや女性差別の犠牲者・・・ともいえるおサキさん。しかし想像を絶するような過酷な人生を送ってきたにもかかわらず、彼女が保ち続けている赤ん坊のように無垢で純真な美しい心に感動した。作者との心の交流が、晩年のおサキさんの孤独な人生に、ひとすじの明かりを灯したのなら、素晴らしいことだと思う。

中学生の時、この本を読みました。
先日、新聞にこの本が英訳されるとの記事が載りました。
おサキさんはすでに他界され、一旦は天草に葬られたそうですが、息子さんが自分の住む関西に墓を移したそうです。
著者は、天草こそ彼女の奥津城に相応しいと書いていました。