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チャイナハンズ―元駐中米国大使の回想 1916‐1991

価格: ¥2,700
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
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バランスと政治決定 ★★★★☆
鮭の回遊ではないが中国青島に生まれ米国で成人、アジアの各地を回って中国大使で戻る。アメリカ政府の政策に携わるセクション、ヒトの絡みがよくわかった。著者の色々な事件に遭遇したときの対処が現実的でバランスのとれた対応ということに腐心され、決して情に流されないで
客観的、かつ複眼的な見かたすることに勤める姿勢はすばらしい。
天安門事件の描写が白眉ではあるが、実際その後の中国の歴史改ざんとその後の経済発展で忘れてしまった形になっている。そして60年前のことで相手に責任を擦り付ける。中国にとって日本は良い鴨である。
我々の国の大使も半生記として著わすのを義務として欲しい。 
帝国外交かくありけり ★★★★★
筆者の父はスタンダード石油のセールスマンで軍閥跳梁跋扈する中国に灯油の販路を広げるために使わされた言わばパイオニアであった。その父の元に中国の地で育った彼は、その後CIAの情報官の任を受ける。彼が任官を受けた1950年代は丁度CIA黎明期で、時の大統領アイデンハワーとダレスCIA長官がイランやグアテマラなど世界各地でCIAに積極的な介入を求めた時期だ。竹のカーテンに包まれた中国、激化するベトナム戦争と世界がめまぐるしく展開するなか香港、ラオス、カンボジア各地を転戦する。しかし、その活動は決して派手なものではなく、実に地道でコツコツと積み上げるような作業である。そしてその経験により外交官としての道を歩むこととなる。

この本の中で特に興味深いのは米国の外交姿勢である。彼の書く米国の外交姿勢に常に言えることは名を捨て実をとると言うこと、相手の面子を立てつつも自己の権益を最大限伸ばそうと言う実に強かな姿勢である。満州における権益が認められていたにも関わらず、最期まで国家承認にこだわり国際連盟のテーブルを引っ繰り返した国とは違う。その強かな姿勢は台湾海峡を挟んでの台中外交や六四天安門事件後の亡命受け入れの描写に詳しい。リアリズム外交を追及する姿勢は、まさに帝国かくありけりと言いたい。ニクソンはもっと再評価されてしかるべきであると言う念もある。

ただ、筆者はCIAの情報官としてカンボジアに勤務していたにも関わらず、中国との同盟のためにポルポトの民主カンボジア政府を米国が国家承認し続けていた米国の外交については全くと言って良いほど言及されていないことが不満である、自分としては彼にはその責任があると思う。また、米国が中国を自陣営に引き込むためソ連に比べて中国の人権問題に対して甘かったと言うことはジェームズ・マンの著書である『米中奔流』などでも指摘されていることである。

アメリカの対中国観を知る ★★★★★
たぶん、アメリカ外交官で最も中国を知る人の回想録。中国共産党に「幻想」と「好意」を持って接してはならない。「友好」とは中国共産党の腐敗した政権を維持する為の言葉のすり替えに過ぎない事を知るべきであろう。