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マオ―誰も知らなかった毛沢東 下

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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唾棄すべき男 ★★★★★
 今、私たち日本人にとって、生命と財産を脅かしかねない中国。
 その中国を作り出したのは、良くも悪くも毛沢東である。

 読み物としては訳文であることも手伝って、スルスル読みこなせるものでもなく、非常に分厚い書籍(2巻)なので、読むのには時間がかかった。

 しかし、毛沢東と言う人間とその周辺の出来事を理解するには不可欠な資料の一つなのだろう。残念ながら私が知る毛沢東という人間は、世界史の教科書での説明程度のものだったので、この書籍で毛沢東なる人物の実像が随分と具体的にすることが出来た。

マオ―誰も知らなかった毛沢東 下 毛沢東が中国共産党の設立にそれほど、汗を流さなかったこと。そもそも思想信条がしっかりしていなかったこと。先天的なものかどうかは別として、サディストであったこと、嘘つきであったことがある。およそ人間としてあるまじき人格を持つ人である。

 しかしながら歴史は彼を生かし、今の嘘の超大国の礎を築き、日本にも世界にも試練を与え続けている。私たちはこの不条理な現実を受け入れなければならない。

 ソ連は中国にも共産主義を輸出し、社会主義を広げてゆくはずだった。そのソ連すらも欺き、国共合作というものに見事に寄生していた毛沢東を、何と位置づければよいのだろうか。もちろん、ここに書かれているのは、毛沢東の一面でしかないだろう。

 どの国にも拷問はあったが、毛沢東やその周辺の拷問はとてもつもなく恐ろしい。具体的には複数の人間の睾丸をさびた針金でつなぐという行為、女性の局部を線香で焼く、加熱した鉄棒を肛門に突き刺すなど、文章を読んでいるだけで吐き気がした。
 吐き気がしたのは、その拷問だけではなく、毛沢東の人となりそのものも唾棄すべきものを多々感じる。こんな人が、孫文によるまともな革命、蒋介石のまともな展望をすべて水泡に帰してしまったのだと思うと、悠久の歴史を誇る中国にとってこれほどひどい人物はいなかっただろう。
三文小説 ★☆☆☆☆
本書は2005年5月に既に英誌"The Economist"に懐疑的なレビューが、邦訳出版と同時期の同11月に"The New York Review of Books" でYale大学 Jonathan D. Spence 教授による否定的なレビューが行われていたものである。その後 Columbia大学 Andrew J. Nathan教授が膨大とされるその典拠のほとんどが怪しいことを暴露し(London Review of Books, Nov. 17, 2005)、今日学問的には問題とされていない。
我が国でも矢吹晋氏が翻訳が原意を伝えていないことを指摘していて、未だに真に受けている人がいることの方が問題と言うべき代物である。

基本的に三文小説であり、ノンフィクション扱いされている限り最低点は避けられない。

マオ―誰も知らなかった毛沢東 上
激辛書評で知る 中国の政治・経済の虚実
アジア的独裁者 ★★★★★
マオの評伝が出てくることは歓迎です。第1次天安門事変(1976・清明節)に北京にいました。日本の岩波文化人や社会党はマオ主席を礼賛していたのに、現地ではどうも違うなと感じていました。商店には食塩も欠乏する有様で、食料券で餓死を免れていました。
 その年の9月にマオが老衰死し、中華人民は解放されましたが、恐怖心は悪夢となって未だに醒めないようです。残忍なマオが台頭できたのは、本書でも明らかにされているように、古代と変わらぬ中国土着民と、軍事組織です。それに相手の国民党が弱すぎた。共産匪を壊滅できる機会は幾度もありながら、最後の詰めできなかったようですね。
 文革4人組を逮捕した葉剣英元帥が政治局会議の報告で「1億人に被害をもたらし、3千万人を殺害した」とマオを非難していました。また、胡耀邦主席の演説で大躍進での餓死者を2、7千万人をだした災害であると、報告しています。マオが共産独裁下での殺害した総数は韓国国民総数に匹敵する数になる。「日本人が知らないマオ」としたほうがよかった気がする。ポルポト政権やビルマ政府や多くのアジア支配者はこのマオとそう変わらないと、思わせるにはいいテキストになります。マオを悪く言い過ぎると感じる方は、中国に住んでみると考えが変わりますから。
上巻のレビューで疲れたのでここでは少しくだけてみた ★★★★★
疲れる本、政治やら恐怖やら死が中心の本と言う意味で、なのでレビューを書くのも疲れる。

ここは少しくだけてみる(真面目レビューは→上巻)

上巻の巻頭写真17)の蒋介石がやたらと、たけし(ビートたけし)に似ているのでぷっと吹き出してしまった。

下巻巻頭写真69)、チェ・ゲバラ、超かっこいい。ゲバラファンはそこだけ切り抜いても良いか。で、その下の70)はイメルダ・マルコス。これはこの巻頭写真唯一の西側女性。ここで出てくると魅力的。

悲しいかな、おちゃらけができるもこの程度。
その前の死刑の写真、文革当時の吊るし上げの写真を見ると一気に落ち込む。
私は、57)劉少奇の悟りきった顔と、55)膨徳懐のやたらと人間味のある顔とその隣、同じ膨徳懐が吊るし上げられこれも劉少奇と同じく悟りきった顔がやたらと印象に残った。

勧善懲悪の世の中がいいんだろうな、やっぱり・・・
自分の今の生活環境がやたらとありがたく感じる本です。
毛沢東の実像が浮かび上がる ★★★★☆
上・下巻とも500ページを超える大書であるが、上・下巻を合わせてレビューを記す。
本書は10余年に渡る調査、関係者への膨大なインタビューそして最近明らかになった旧ソ連関係の文書などから詳細かつ具体的に毛沢東の生々しい実像に迫ったものである。

共産革命に世界で初めて成功したソ連、特にスターリンが実権を持つようになると革命の輸出と自国防衛を図ってコミンテルンなど諜報活動を活発化させた。中国は辛亥革命に成功したものの群雄割拠の状態であり、蒋介石の国民政府も統一にはほど遠い。中国共産党はソ連の後押しで設立されたが、ごくマイナーな存在に過ぎない。人間性や思想は別として、このような状況下から統一中国を成立させ、朝鮮戦争を戦い、遂にはニクソン大統領に共産中国を認めさせた毛沢東は、その戦略眼の確かさと得た成果の大きさから『中国史・稀代の英雄』と認めないわけにはいかない。しかし、その裏には7000万有余の自国民を死に追いやり、長年の同志である周恩来や妻子に対する仕打ちを知ると目的のために手段を選ばないこの冷酷さこそが中国統一の原動力であったかと妙に納得させられる。

中国共産党が日本軍と戦った事実は、本書を読んでも殆どないことがわかる。ソ連は日本軍の北進を恐れ、毛沢東は日本軍と蒋介石と戦わせ漁夫の利を得るために日本軍を大陸内部に引き込もうとした。両者の思惑は一致し、西安事件が契機となった。日中国交回復、毛沢東が社会党佐々木三委員長に「日本の皇軍に感謝している」と語ったことが知られているが、「さもありなむ」と理解できる。

現在の中国も共産党独裁体制は変らない。『毛沢東神話』を揺るがすこの著書を中国人が読んでも軍をもつ共産党の党員エリート達が今まで培った自らの支配体制と利権を手放す筈はない。本書を読んでその感を新たにした。