ビクターの勝利の影にはソニーの涙が
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NHKの「プロジェクトX」で取り上げられて以来、VHS開発にまつわる物語は感動的な話として広く認知されているが、この本は元々そういった美談を伝えるために書かれているのではない。敗れたソニーですらビデオ産業には多大な貢献をし、後のCDでの成功に結び付けていることからも、ビジネスとはそういうものだという事を淡々と述べているに過ぎない。VHSの勝利の影にはソニー技術者の涙がある。この本から学べることは技術者魂の素晴らしさと、「行動する前に熟考する」という事の大切さではないかと思う。