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陽はまた昇る―映像メディアの世紀 (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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読み応えがありました ★★★★★
世によく知られるビデオの規格に関して主にVHSの側から見たノンフィクションの小説です。
日本ビクターの高野氏を中心としていますが、その他の関連人物についても詳しく書かれており、当時の家電業界の様子まで分かります。
VHSという規格が誕生して世界の規格にするというノンフィクションは、サラリーマン生活を考え直すきっかけとなりました。
かなりボリュームがある本ですが、読んでいて飽きませんでした。
★★★★★
私の父は、日本ビクターです。小学6年の頃でしたでしょうか?
いち早くビデオが我が家にやってきました。
その時父は「ソニーとの戦いだ。」と言いました。
なぜ、ビデオの機械が2種類あるのか、父に聞いた記憶があります。
忘れましたが。
そして、「ソニーに勝った」と。

プロジェクトエックス でその内幕を知りました。父は、もちろん映画「陽はまた昇る」を観に行きました。

そして「癌で死んじゃったんだよね。」と、ぽつり。

ビクターの救世主は、天国に居ます。
ドラマのような世界 ★★★★★
 私は家電にも経済界にも疎いので、ビデオの規格がVHSに統一されるまで、世界をまたにかけた争いがあったことも知らなかったし、その中心がビクターに籍を置く一人の人物だということも知らなかった。 ここに書かれているのは、SONYや欧米を相手にしながらVHSを世界標準規格にまで育てた高野鎭雄という男の執念の物語である。彼を影からバックアップする松下幸之助、敵役にはSONYの盛田昭夫、一筋縄ではいかない欧米の企業。配役は申し分ない。世界をまたにかけた壮大なドラマである。力作である。
 よく出来た小説と同じようにワクワクしながら一気に読んだ。
 「日経新聞出身」の著者が描き出す主人公があまりにもカッコよすぎることも、この作品が一人のヒーローについて描いたものだと理解すれば、これでいいのだと思う。
 と、ここまで書いた後に他のレビューを読んでみたら、この作品を原作としてプロジェクトXと映画が製作された、と書いてあった。そうだったたのか…。



日本の製造業を支えてる人はここにもいた ★★★★☆
日本の製造業の良質な部分を描いた傑作ドキュメント。結構分厚い
けど気になりません。
強烈なこだわりとヴィジョン、経営的センスも兼ね備えた技術者が
ここにもいました。
松下幸之助を味方につけ、数多くのメーカーを巻き込み、国内外で
の官僚的障害を乗り越えていく様は圧巻ではないかと。

時が来るまで待てること、譲れない原則を持っていること、明確な
判断と意志をもつこと。リーダーでありかつイノベーターである
高野氏の活躍を知ってしまったあとでは、DVDの規格がいまだ統一
されず(どっちが優位ともいえず)、また、日本大手家電メーカー
がDVD事業で儲かっていない現状を見ると、悲しい気持ちになってし
まいます。

ちなみに、SONYのO元会長がこの本でなかなか傲慢なところを発揮
しております。SONYの内幕を暴露した本が最近でてましたが、なる
ほどさもありなん、と思いました。

VHSの考え方 ★★★★★
 私はβを当初買ってしばらくしてVHSに乗換えをしました。今は家庭用ビデオとして業界標準規格となっていますが、ビクターのVHS規格が当時のビデオ界の巨人ソニーのβにどうして勝てたのか詳細に書かれてあり多少長いですが読み応えがあります。私はVHSが互換性のある規格で業界標準になったからこそ、DVDやCDの規格にも互換性という概念が生きていると思います。その考えを生み出したこの本の主人公でもある高野静雄という男の姿勢は私も見習う点が多いと感じました。