子どもと一緒に楽しめる大人のための幻想物語
★★★★★
なんて美しい映像!
巨大な象が紺碧の海を舞うように泳いでいきます。
CGではありません。夢のような映像ですが、実写です。
ターセム監督といえば大ヒット作『セル』の残忍なシーンのイメージがありますが、これは違います。
オレンジ農場で働く小さな少女と、脚を怪我して、恋人にも捨てられたスタントマンが、病院の小さなベッドで物語を作り上げていきます。
その物語の映像は、この世とは思えないほど幻想的。数々の世界遺産を舞台に、石岡瑛子のドラマチックで洗練された衣装が、観る人を物語の世界へ引き込んでいきます。
また、映画館では聴けなかった日本語吹き替えも、少女の声が愛らしくて2度の楽しみを味わえます。
購入してよかったです。
美しさに驚愕
★★★★★
最近の大掛かりな映画はCGが多用されているので、このくらいの映像を画面上で作り出す事はできるでしょう。しかしここに出て来る環境は実在する場所。その壮大さ、美しさ、奇抜さ、そしてそれらを全く知らなかった自分の無知に驚かされました。実在する世界遺産は現代のCGデザイナーとその他の限られた人材がちょっとやそっとで思いつくようなデザインではありません。なんて不思議な・・そして、なんて大胆なのでしょう。感動します。監督の思い入れ、惜しみなくつぎ込まれた時間と手間、素晴らしい衣装、そして俳優達の素晴らしい演技。全てが最高の作品です。それでいてそんなに重いストーリーではありません。今のハリウッドにありがちな人気俳優の起用だ、スポンサーだ、宣伝だと色んなしがらみに縛られる事なく、監督が納得行くまで大切に仕上げた作品という印象。
美しさを堪能する為にぜひ大きなスクリーンで見て頂きたい1本です。
作り話の真実
★★★☆☆
物語はパワーだ。文学や映画、演劇などで語られる物語を通して、私達は勇気や生きる希望さえ抱くことがある。作り話かもしれないが、生き方を左右するぐらいのパワーを秘めているのだ。
「ザ・フォール 落下の王国」もまた、青年が少女に語る物語によって、二人の人生に変化が訪れる映画なのだ。撮影中の大怪我で入院しているスタントマンの彼が、左腕の骨折で治療を受けている5歳の少女と知り合い、彼女に愛と復讐の壮大なお伽噺を語り始める。少女を利用して、ある目的を遂げるためだった。
アレキサンドリアという名の少女役を演じた、ルーマニア出身のカティンカ・アンタルーの自然な演技が秀逸で、他の役者以上の存在感がある。あと一人というか、一匹の演技も忘れられない。ウォレスという名の猿だ。「子役と動物には勝てない」という言葉があるが、彼らの演技に涙腺が緩むのは間違いないだろう。
ただ、ターセム監督が構想に26年、撮影に4年を費やした意図が見えてこなかった。お伽噺に隠された意味について、私なりに考えてみた。少女の名前(アレキサンドリア)はアレキサンダー大王に由来している。彼は東洋文明と西洋文明の融和を目指したと言われている(異論もあるが)。彼をキーワードにすれば、この映画のテーマも浮かび上るのではないか? 映画の冒頭で、青年が少女にアレキサンダー大王について説明する場面もある。
勝手な解釈を許してもらえば、「落下の王国」は様々な問題を抱えた「世界」の比喩で、東西文明(各国)が力を合わせて困難に立ち向かってほしいとの、監督の思いを表現した映画ではないか? 地球規模のロケーションを敢行した意味も、そういう意味で納得できる。お伽噺に、悪に立ち向かう6人の勇者が出てくるが、彼らは6大陸(南極を含む)を表わしていると考えてもいい。極端に言えば、青年が西洋文明で、少女が東洋文明と見立てると、また違った映画の見方が出来ると思う。
この映画からパワーを貰えるかどうかは人それぞれだが、物語の感動が私達一人一人の物語を形作るのは間違いないだろう。作り話の真実が、明日への糧に繋がっているのだ。
宝石箱と宝物
★★★★★
元々世界中の美しい景色に興味があった、というのと、映像の勉強を兼ねて観た作品だったのだが・・・
素晴らしい!の一言に尽きる。
圧倒的な自然の持つ美の迫力に完全に魅入ってしまった。
綺麗な大切な物を胸いっぱいに集めたような、何度でも観たい私の1番のお気に入りの作品。
映像の美しさ&アレキサンドリアの可愛さ
★★★★★
アレキサンドリアの純真無垢さにもう涙が止まらないです。
それとは別に、空想の映像の美しさが…もう圧巻というか。 完全に夢を見ている感覚なのが気に入ってます。
(第三者の立場で)好きな夢の続きを何度も見れてるような感覚です。
ラストがちょっと…って人も居ますが、私はあれがリアルなハッピーエンドだと思います。
個人的にはロイがイケメンでツボです。