ステラ・スティーブンス!
★★★★★
ジェイソン・ロバーズという人を余り好きになれないので、残念ですが、なかなか良い映画でした。ガルシアの首のウォーレン・オーツの雰囲気をちょっと思い出します。
砂漠で水場を見つけ、ゼロから財をなす・・・アメリカ人の開拓者魂は、すごいと思います。
牧師があんなふうにイカサマに生きていけるのも、キリスト教が幅を利かせているから、だと思うし、駅馬車のお客が気取っているのも、自由平等の国、と言いながら、昔から格差意識があるのがアメリカの社会なんだ・・・と思います。
で、主人公が惚れる娼婦のヒルディを演じている女優さんが素敵なので、誰かなー、と思ったら・・・なんと、ステラ・スティーブンスなんですね!60年代にキュートな映画にいろいろ出ていた女優さんです!懐かしいなー。彼女が素敵な歳のとり方をしているので、この映画が愛情深いものになったと思います。
ステラ・スティーブンス、コニー・スティーブンス、バーバラ・イーデンの3人が、当時の3大キューティー・ブロンドです!私のなかでは。
サム・ペキンパーによる西部劇への鎮魂歌的作品
★★★★☆
これは本当に掘り出し物でした。
まずオープニングタイトルにやられました。
特に本ストーリに切り替わる前のタイトルが超カッコよく、ラス・メイヤー的タイトル好きにはたまらないものがありました。
映像、音楽、登場人物すべてにおいてよかったです。
特に美しい砂漠のシーン、後半部分がよかったです。
難を言えば時々不自然なコメディ調のシーンがあり(特に町中のシーン)それが全く面白くない上に妙に浮いていて全体の調和を乱す結果に。(主演女優ステラ・スティーブンスの特典インタビューによるとペキンパー自身はコメディ映画を取っていたつもりだったとか。)
70年代に制作されたもので一見、西武劇のようですが美しい映像、時間の捉え方、登場人物の距離感、ソフトロック調のしっとりしたフォークソングなど私の大好きな70年代のB級ヒッピー的もしくはロードムービー的なにおいがする作品です。
映画の最後の方で車が登場、馬社会から車社会への移行、そして主人公のお葬式とともに西部劇時代の終わりを告げます。
サム・ペキンパーの西部劇への鎮魂歌ともとれる作品です。
全体に流れるトーンは静かな明るさがあっていわゆるペキンパー的な緊張感とか神経にくる恐怖感とかなく(一番最初のオープニングシーンと街の登記所の職員がハエを殺すシーンぐらい。)今まで見たペキンパーの作品とは異質な感じがしました。
過去の作品でもまだまだ掘り出し物ってあるんだなとうれしくなります。
ヒルディ〜
★★★★★
ペキンパー大好き!ヒルディよかったぁ。黒の綿ストッキングや主人公が女の脚を語るシーンなどペキンパーのフェチが垣間見られたのでございます。もちろん本編の泣ける内容も素敵!日本では絶対無理(製作がね)な映画ですねぇ。
荒野を漂う一人の男
★★★★★
サム・ペキンパーと言えば血が噴出すところをスローモーションで見せるバイオレンス映画が多いですが
今回はまったりとした話 復讐する物語だけど男が待ち続けるという話
荒野を歩く男の物語砂漠で必要なのは銃などではなく水だと言っている所が面白い
ギターとあの愉快な音楽が心地よかった
砂漠の流れ者・・・。
★★★★★
この映画を観ると何か勇気づけられるような、人に優しくなれるような、あったかい気持ちになれるような・・・。きっと主人公ケイブル・ホーグの人懐こい笑顔や、隣人たち(?)への友情、娼婦ヒルディへの一途な想い、砂漠やらすべてのものへの愛情が観るものに伝染してくるからなのでしょう。うまく言葉では表せませんが、何というか愛に溢れているといったらいいのでしょうか?でもそんな甘ったるい映画じゃないし・・・。この映画、ペキンパーのうちに秘めた心情が、普段見せている顔の裏返しでおもいっきり現れた作品なのではと思います。特典映像としてステラ・スティーブンスのインタビューが付いています。ペキンパーを語るところが特に興味深かったです。評論家による音声解説、TV放映時の日本語吹替え(小原乃梨子さん!)も付いています。