見直して観て
★★★★☆
SW公開以降、世界中が待ちわびた作品。大作となった為、各キャラクターの設定がTV版より重くなりすぎた感は在ります。
公開当時には難解だと思われた内容も、現在観るとそんなに難しい内容とは思いません。
この作品が公開された事により、今も続くスタートレックが在るのは事実ですね。
一度は見ておくべき作品だと思います。
★★★★★
TVシリーズの「宇宙大戦争」のイメージが残っていましたので、劇場版は今ひとつ手が伸びませんでした。それでも、話題が豊富ですから、気になっていました。最近になって、ようやく巡りあう事ができました。監督が、ロバート・ワイズというのに少しびっくりです。「 ウエスト・サイド物語 [DVD] 」「 サウンド・オブ・ミュージック [DVD]」の監督ですからね。これくらいの大物監督を起用したというのが、意気込みだったんでしょうね。宇宙という深遠な空間を観客に味わわせようという狙いがあったんじゃないでしょうか。宇宙空間での、宇宙船や天体によるバレエ・ダンスのような画面が、素晴らしいです。宇宙船モノの原型はまずこの作品によって打ち立てられたとも思います。いろんな意味で、後のSFに多大な影響を与えていることは間違いないところでしょう。一度は見ておくべき作品だと思います。
深夜の関西でブーム
★★★★☆
1974年より関西テレビの深夜枠で宇宙大作戦の再放送が何度となく流され関西地方で宇宙大作戦の軽めだけど確かなブームがありました。 …で、そんな事を背景にこの劇場用スタートレックは東京を差し置いて大阪先行一般試写会が開催されました。前年のエイリアン、前々年のスターウォーズが東京大阪同時公開を考えれば異例の事でした。スポーツ紙にも大阪先行試写の事が大きく紹介されました。もちろん関西のSF系ファンジン関係者は盛り上がってました。特撮監督が気鋭のロバート・エイブルから巨匠ダグラス・トランブルに交代したとか…マニアな話題もありました。 大阪の試写会々場は熱気ムンムン。プレスシートには松本零士さんやら竹宮恵子さんの感想文が…って、ヤッパ、東京で先に試写してるやん!まあ、一般試写は大阪先行という事らしいけど。 …で、この作品を見直して再確認した事はパーシス・カンバータが後のセブン・オブ・ナインやトゥポルの源流にあたる佇まいをしてる事でした。劇場用に制作された数多くのスタートレック…新旧合わせてもこの作品が最も劇場公開作品としての風格のある作品だと思います。 もっともスタートレックシリーズは劇場よりお茶の間で楽しみたいものですが
思い入れはあるものの・・・
★★★☆☆
公開当時、想像以上のSFXに感動し、想像以下の物語に幻滅して劇場を後にした記憶がある。
カーク船長の欠点が表に出ていて、テレビシリーズよりも人間関係がやや生々しい感じになっているのは良かったと思うが、「ヴィージャー」を巡るメインのストーリーが余りに大味。
今思うと、70年代のSFXに頼らないSF映画と、80年代以降主流となった映像効果で雑なストーリーをごまかすSF映画の、過渡期に作られた作品だったのだと思う。
劇場版スタートレックの先駆
★★★★☆
劇場版スタートレックの先駆けとなった作品です。
本国アメリカでは話題にはなったものの否定的な評価が多かったと記憶しています。確かに映画としては若干冗長な部分が多いですが、圧倒的なスケール感はシリーズ随一だと思います。
さすがに莫大な制作費をかけただけあって特撮は素晴らしいですね。
さらにこのバージョンはデジタル処理されているのでオリジナルよりも映像がきれいになっています。
また、特撮を担当したジョン・ダイクストラなどの製作者やマイケル・オクダ氏が字幕や音声で作品解説してくれるので、このシリーズにあまり詳しくなくてもある程度楽しめるのではないでしょうか。
ただ、個人的にはカーク船長に思い入れがあるので、この作品で描かれる中年の焦りを感じている船長の姿はいささか納得しがたい所がありますね。多少独善的でも、生来持っているヒロイックなカリスマ性で見るものを納得させてしまうのが船長の魅力ですが、この作品ではヒロイックな部分が削られ独善的な部分だけが目立っています。
物語冒頭で新艦長から経験を理由に指揮権を奪ってみたり、旧来の友人であるスポックやドクター・マッコイにやたらと「君が必要だ」と言って人たらしに走ったりする船長の姿は幻滅モノでした。
とはいえ、改装により、シャープになったエンタープライズ号が宇宙を行くシーンは、この後に劇場展開されたTNG映画を含むスタートレックシリーズの中でも最も美しいと思います。その他、シド・ミードが中心となってデザインした謎の脅威“ヴィジャー”など、見所は満載です。
こういったものは昨今では3DCGで表現するのが普通なのでしょうが、現実としてあるものの存在感は、やはり画面の中でしか存在しないものとは別格といえる迫力があります。
「よし!観るぞ!」という気分で観るとゆったりとした展開がやや苦痛に感じるかもしれませんが、映画と同じく「ゆったり観よう」という気分で観れば、案外楽しめるのではないかと思います。ロバート・ワイズが描いた壮大なシーンをゆっくりと、味わうように観ることをオススメします