祝!新シリーズ!
★★★★★
デビッド・スーシェが名探偵エルキュール・ポワロに扮するミステリ・ドラマシリーズが21世紀に復活。ヘイスティングスやミス・レモンと分かれて引退したポワロが復活した後を描く今シリーズは、原作でおなじみの従僕のジョージが新たなパートナー(?)となる。
原作を大胆にアレンジした今シリーズには賛否両論があるかもしれないが、おなじみのメンバーがいなくても、原作通りでなくとも、ポワロの面白さは健在。(むしろ原作の斬新な点を拡張解釈するためにあえて改変を行ったと見た方がいいと思う)
この勢いで「カーテン」までのすべてを映像化してほしいと思う。(その際ヘイスティングスは高齢すぎて出れないだろうから、息子やおいなどに変更するだろうけど)
1シーズンにまとめるにはもったいないと思えるほどの、豪華なラインナップの第9シーズン
★★★★★
わずか1シーズン4枚での今回のBOX盤の発売には、正直いって驚いた。これまでのBOX盤からは考えられない編成なのだが、未だに製作が進行中の旬のうちに、順次、発売を開始して、少しでも売上げを伸ばしたいとの思惑があったのだろう。何はともあれ、NHKの放映回数には、契約上、制限が掛かっているようであり、放映時に見逃してしまったファンにとっては、早期DVD化は大歓迎だ。
さて、今回のシーズン9の作品は、シーズンのバランスから見て、一つくらいは後に取っておいた方がいいのではと思ってしまうくらい豪華なラインナップの名作が、惜しげもなく揃った感がある。
この4作品は、いずれも、単なる犯人探しだけの底の浅いミステリではなく、愛をテーマにした愛の物語でもあり、心理劇でもあるという、いかにもアガサらしい作品である。このテレビ版では、特に、「五匹の子豚」、「杉の柩」の完成度が高く、たっぷりと見応えのあるドラマに仕上がっており、それに次ぐのが、「ホロー荘の殺人」だろう。
「五匹の子豚」は、五人の関係者それぞれの立場からの証言を映像で重ね合わせて再現し、次第に真相に迫っていくという演出の巧さが際立っており、ラストの一ひねりも実に上手い。「杉の柩」は、「コナン・ドイルの事件簿」でお馴染みの名手デビッド・ピリーの脚本が冴えており、粛々と進行する感のある原作を、ドラマティックで緊迫感溢れるドラマに仕上げている。「ホロー荘の殺人」は、このテレビ版も十分魅せてはくれるのだが、放映時間の関係で、原作に見られる文学的ですらある5人の登場人物の心理の深い掘り下げに偏りがあり、終盤の感動の名場面がカットされているのも惜しい。
「ナイルに死す」は、4作品の中では最も有名な名作なのだが、原作自体に、総花的に全てを盛り込んでしまったところがあり、シリアスな3作品と一緒に見ると、通俗的、娯楽的ミステリと感じるのも事実だ。
第9シリーズをまとめたものがNew Season 1ですか
★★★☆☆
ということは次のBOXは第10シリーズをまとめたNew Season 2 ?
BOXの装丁には旧「完全版」1〜3購入者を微妙に意識しているようですが
いっそのこと「Vol32〜Vol35」のほうがすっきりしたかも?
ひょっとしてその後はこれらをまとめて特典映像付きの「完全版」3が発売されるのでしょうか。
新完全版1〜2の続きとして。
大好きなのですスーシェのポワロ。何度も見たいのでDVD化は楽しみにしているのですよ。問題はいつ買うかなのですね。