詳しくはないけれど
★★★★☆
動く指は見てて、つい夢中になってしまうぐらい丁寧に作られていると思いました。親指のうずきはオリジナルのドラマとしてはミス・マープルとトミー&タペンスが共演している分質が落ちてしまった感がありますが、アガサファンとしては共演させてみたいという気持ちもあったので、その点ではなかなか面白いです。
もちろん、原作を重視する方は変えすぎとの指摘もありますが、こうした脚色は出来はともかく試験的には面白いのではないでしょうか。
最高
★★★★★
とくに、動く指が最高です。
全体の登場人物との絡み、あとジェリー・バートンの俳優が
かっこよかったです。
原作は忘れて、女優の競演が楽しめる
★★★★★
新マープルの第2シリーズで最も素晴らしいのは、本来マープルものでない『親指のうずき』です。そして、何がいいのかといえばタペンス役のグレタ・スカッキです。叔母から評価されず、夫にも注目されていないと思い込み、誕生日に夫から貰った車の運転も下手なまま。捜査も推理も早とちりの傾向にあり、酒を飲むことで孤独をまぎらわしている状態なのですが、マープルはそんな自信を失いそうな彼女を支え、最後には「あなたひとりで事件を解決したのよ」と評価するのです。タペンスの自己回復の物語として傑出しています。各エピソードの女優たちの競演も楽しく、原作と異なっていても、それはそれとして、じゅうぶん楽しめます。原作と違ったら二倍おいしいと思えば一興ではないでしょうか。
2010年3月23日からNHKのBS2で第3シリーズが放映されます。本来マープルものでない『無実はさいなむ』『ゼロ時間へ』や、大胆な脚色でマープルが推理のヒントを与えてホテルのメイド、ジェーン・クーパーが大活躍する『バートラムホテルにて』(外国のレビューアーの評価は低いですが、そんなことはまったく当てになりません、大傑作です)、登場人物を絞り込んだ『復讐の女神』が放映されます。Amazon.ukからDVDを購入して先に見てしまいました(日本とリジョンが違います)が、面白いですよ。
もはや、「独自性」のレベルを超越してしまった感のある第2シーズン
★★★☆☆
私は第1シーズンを観て、「独自の改変・工夫が目立つ」と書いたのだが、この第2シーズンには、何と、ミス・マープル物ではない2作品が含まれており、もはや、そんなレベルを超越したものになってしまっている。
ちなみに、これは、現在、「ミス・マープル ムービー・コレクション 」としてDVD化中の、MGMが40年以上前に取った手法と全く同じなのだ。現在のアガサ作品の著作権管理は、孫のマシュー・プリチャード氏が理事長を務める「クリスティー財団」が行っていると思うのだが、伝記にも明記してある生前のアガサの酷評振りを百も承知しているはずの彼が、なぜ、また再び、こうしたやり方に許可を与えたのか、私には全く理解できない。
その「シタフォードの謎」は、設定、ストーリーとも、原作とは全くといっていいほど変えられており、ここまで変えてしまうと原作の面影もほとんどなく、これは、オリジナル・ドラマに、「クリスティー」、「マープル」というブランド名を冠しただけといってもいいくらいだ。作品の内容自体は、MGM作品とは違い、原作よりも波瀾万丈で、面白くなっているのが救いではある。
「親指のうずき」は、マープルがトミーとタペンスの代わりを務めているのではなく、何と、マープルと彼らとの共演になっているのだが、人気の彼らをワトスン役に落としてまで、わざわざマープルを絡ませることにどんな意義があるのか、私には、理解できない。内容的にも、映画「アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵」の方が、よほど正統的な良い作品に仕上がっている。
原作物の「スリーピング・マーダー」も、緻密に組み立てられ、良く出来た原作を、やたらと込み入っただけの陳腐なドラマに改変してしまっているが、「動く指」は、新シリーズの中では最もオーソドックスなアガサ作品に仕上がっており、ミステリとして以上に、上質なラヴ・ストーリーとして、なかなか見応えがある。