林真理子さんの深い書評に、私は林真理子さんの意外な一面を見たように思いました。
なかでも感動したのが『斜陽』にまつわる、特別なエピソード。林さんのお母さんは、戦争が終わっても戦地から戻らぬ夫を待ち続け、待ち続け、そして6年後に突然無事に夫が戻ってくる。そうして40歳前後の母親がひとりの女の子を産み、それが林さんというわけだ。
両親だって戦後に生まれた私には、『斜陽』には、ぜんぜん違う読み方があるんだと気付かされ、感慨深かった。
また、林さんが近代中国に関心があることも『流転の王妃』から知る事ができて、今まで遠くに感じられた林さんとの距離が縮まったと思った。