ハイアットのソングライティングはいつもながら力強く、全編ムラがない。中でも、「Almost Fed Up With the Blues」、「My Dog and Me」、「My Baby Blue」、そして「The Most Unoriginal Sin」(もともとはウィリー・ネルソンが1993年に録音した曲)は傑出しており、ハイアットのきついウィットと優しいハートを感じさせる。だが、これは1曲目の「Uncommon Connection」の冒頭から上機嫌にとばすバンドの存在があってこそなのは明らかだ。スタジオ・ライヴ方式でレコーディングした結果、ハイアットとゴーナーズは、イキのいいサン・レコード風のサウンドから沼の匂いのするデルタ・ブルース、初期のライ・クーダーやザ・バンドまで、ありとあらゆるものを持ち出してきた。いずれの要素も、これらのミュージシャンたちが長年のツアー経験の中でつちかってきた、ほとんどテレパシーのような相互作用の感覚によってもたらされたものだ。
本作はハイアットのキャリア中もっともロック色が強く出たアルバムだが、その喜びに満ちたエネルギーは、ハイアットの魂をいささかも犠牲にしてはいない。(Jerry McCulley, Amazon.com)