なつかしのスヌーピーとチャーリー
★★★★★
私はこの名作アニメを1972年の本邦初公開の時に鑑賞して、実に38年ぶりに再見しました。全体の色調がややくすんだ印象があり、やや古めかしい感じは確かにありました。しかし、シンプル且つ抑制の効いた表現で故チャールズ・M・シュルツの世界が過不足なく見事に再現されていて、すばらしいと思いました。あたかも60年代のアメリカンアートの一端を垣間見ることができたとさえ思いました。それに、年少者に媚びずに高度に知性的な台詞の連続が本作の対象者が実はかつては子供だった大人であることを如実に示していると思いました。本作は人生とは苦い失望感が間断なく押し寄せてくる合間に稀に雲間から射す陽光のようなささやかな喜びらしきものを目にするだけのものという実に奥深い悟りを語るもので、未見の方はぜひ一度御覧になると、きっと心の奥底に何やら暖かいものが宿るような気がします。お勧めの1本です。
大人が教える子供向け人生番組。
★★★★☆
子供は思春期を迎えて以降、自我の発達と共に自分の可能性を模索する様になります、運動能力はどれ程なのか、勉強能力は?、自分はどれ位、美形なのか?など、こうして己を知る訳ですね。今回はずばり、そんな年齢にあるチャーリー ブラウンの物語、自分に野球の才能が無い事を知った彼は落ち込みながらも他の才能、勉強能力、英語のヒアリングに挑戦をする、結果は上々、本人は満足なのに周りが盛り上がり何とヒアリング大会に出場をする事に、果たして結果は?。
1969年制作劇場版、81分。スヌーピーはより犬らしく、黄色い小鳥もまだ出てこない。パステルというかクレヨン調な色彩、背景の彫刻や階段にまだまだ発展途上にあったアニメ作品の無限の可能性を感じました。人生体験、教訓など要素がフンダンな作品、とても楽しく鑑賞出来ました。
この世界のやさしさ
★★★★★
チャーリー.ブラウンが何かに挑戦、しかし奮闘空しく失敗、あきらめたところでそれをスヌーピーや他の子らがたやすくクリア。 落ち込むチャーリー。読者(視聴者)笑う。けれど、胸か、目の奥か、なにかがゆるみそうになる。
失敗は落ち込む、恥ずかしく感じる、けれど世界は(人生は)それで終りじゃあないさ。穏やかに微笑まれたような温もりが流れてくる。シュルツ氏の世界(やさしさ)を動画として再現した制作者に拍手。
かわいくて味わい深い
★★★★★
スヌーピーファン!さらにはある年齢以上の人には感慨深い作品。
そうそう、こういう世界、こういう面々、そうだったそうだったと
懐かしい思い、そしてだいぶ年齢を重ねていますが、今見ても思わずクスッとしてしまう。
今時の子供が見たら、あまりの仕掛け?技術のない映像に驚くでしょうか?
最後まで見ることができない、飽きてしまうでしょうか?
そのぐらい、私にとってはいい感じのアナログな世界です。
アメリカ人は2歳にして哲学者になる、なんていう話をどこかで見聞きしましたが
チャーリーブラウン以外の子供たちはまさにそんな感じ。
人間関係、生活の様子、自分が子供のころ気付かなかった細かいところを拾いながら見る、
そんな楽しみもありました。
チャーリーブラウンにはぜひ日本の「のび太くん」と共演してもらいたいです。
大人は子供とキチンと距離を置くべきなんだ
★★★★★
癒しとか慰めってなんだか、うさんくさい。あやしい。
この映画はそういう類のものとは違う。ぜんぜん。
70年代の子供向けは、みんな毅然としていた。
セサミストリートは毒々しかった。
(キャラクターはみんなキ○ガ○でしょ)
ディズニーも商売っ気抜きだった。
スヌーピーはシニカルだった。登場人物たちの距離感が素晴らしい。
たとえるなら、あすなひろし!!
て、誰も知らないか。
子供に媚びようとする作品は、逆に人気がなかった。
だから子供は、そんな作品に手をひかれて、大人の世界にあこがれた。
かたいことを書いたけど、これ、かなり楽しい。
まずミュージカル。クラシックに前衛音楽にポップス。
チャーリーが可愛く踊る
「チャンピオン♪ チャーリーブラウン♪」
てね♪
それから当時はやりのサイケデリック。
見どころ満載。
たぶん「ちび丸子ちゃん」の映画の元ネタはこれ。
でも、やすっぽい泣きに落とさない分、こっちの勝ち。
いやいや、くらべちゃ失礼か。
とにかくさ
チャーリーは勝てなかったけど
なんだか満足そうで、見終わった後、なんだかボクも
すごくうれしくなったことを覚えている。
この映画が忘れられているなんて、どうかしてる。
映画評論家の仕事って何?
ほんとう、今、荻正弘さんが生きていてくれたらなあ。
て、誰も知らないか。