マーダーボール [DVD]
価格: ¥3,990
交通事故に遭って四肢マヒ障害を負ったズパン。だが彼は“車椅子ラグビー”、その格闘技を彷彿されるような激しいぶつかりあいを見せるため“マーダーボール”とも呼ばれるスポーツに巡り合い、現在はアメリカ代表選手となっている。同じくアメリカ代表チームの仲間もケンカや病気など、さまざまな理由で車椅子生活となった面々がいた。そんな彼らは2002年、車椅子ラグビー世界選手権大会で世界ランキング5位のカナダと対戦。このカナダにはかつてアメリカで名選手と謳われたジョー・ソアーズがコーチに付いていた…。
簡単にいえば体の自由を奪われた人々が、この“マーダーボール”に生きる悦びを見出していく様を追ったドキュメンタリーだが、観ている方はそんな簡単には見れない作品だ。なにしろカスタマイズされた車椅子で暴れ回る彼らの姿は、背筋がゾクゾクするほど迫力があるし、なによりも輝いている。しかも競技を楽しむだけでなく、堂々とナンパして恋人を作っていくなど“生”を満喫している彼らを見ていると、自分も含めのんべんだらりと生きている人間に蹴りのひとつも入れたくなる。さらに障害者でもこれだけ自由に生きられるアメリカ社会を日本は大きく見習う必要があるのではないだろうか? たとえば筆者もアメリカのハロウィーン時に配られた新聞にはさまっていたチラシには車椅子に乗った子どもが仮装している写真が当たり前のように掲載されていた。そういう世の中にしなければ…など、本当にいろんなことを考えさせられる映画だ。(横森 文)