騙されたと思って見てください。
★★★★★
本作は、動脈列島とほぼ同時期に公開され、しかも最初海外(多分フランスだったと思う。)で話題となり、それがが逆輸入の形で、日本でもヒットしたような記憶がある。間違っていたらごめんなさい。
動脈列島は、公開時に見ていますが、本作は、今回が初見です。
本作は、配給会社、もしくは、監督の違いか判りませんが、動脈列島がスピードとアクションで見せるのに対し、公害と人間性に重点をおいたドラマになっています。しかし、アクションもあり、スリルとサスペンスもあり、充分楽しめます。近藤 正臣、好演です。関根 恵子、若い。梶 芽衣子、田宮 二郎、懐かしい。
とにかく、騙されたと思って、ぜひ見てください。
ROCKY
★★★☆☆
増村保蔵監督は我が郷土甲府が誇るカリスマ的な監督である。
増村監督の真骨頂を見せている作品は多々あるが、「動脈列島」に関しては社会派
的な作品として作った感が強い。
作品名は知っていたが観た事が無かったので、尻切れトンボ的な最後のシーンが惜し
まれる。
同じ題材を扱った作品としては、東映のアクション映画的な佐藤純弥監督の「新幹線
大爆破」の方が面白いと思う。
決して「幻の」ではない傑作
★★★★★
関西圏では、公開当時に浜村淳氏が例によってラジオ番組で絶賛していたし、「陰に隠れた」ような、マイナーな印象の作品ではなかったのだが…。
(レンタル用のビデオソフトも、比較的流通していたと思う。たとえば『ブルークリスマス』の方が、本作品よりもずっと、中古ビデオ市場でレア物だった)
ついでに言えば、『新幹線大爆破』もまた、当時の国鉄から撮影への協力が得られたわけでもなく、公開当時には、ヒットしたとは言いがたい興行成績であった。その意味では、この『動脈列島』と大差は無い。
本作品と『新幹線大爆破』との違いとしては、『新幹線大爆破』が、ひかり号の走行シーンにミニチュア特撮を多用した(と言うか、国鉄の撮影協力が得られず、多用せざるを得なかった)のに対して、本作では特撮を廃し、よりリアルな映像になっている点が挙げられる。
たとえば、主人公が「スピード0の信号電波」を用いて新幹線車両を停止させる場面では、実際に新幹線と高速道路が間近で並走し、新幹線側がタイミングよく減速する場所を選んでロケを行っている。
また、クライマックスの、ブルドーザーを新幹線線路に落として列車を破壊しようとする犯人側と、阻止しようとする警察側との対決の場面では、実物のブルドーザーが線路のフェンスに肉迫するサスペンスフルな映像が展開する。
こうしたリアリティに加えて、いかにも増村保造監督らしい、主人公と捜査官との強烈な自我の対立を大胆に描いた演出の妙は、まさに傑作と呼ぶにふさわしいものと言える。
多くの方々に見ていただければと思う。
社会派サスペンスの秀作
★★★★★
「ブラック・サンデー」VS「パニック・イン・スタジアム」、「動脈列島」VS「新幹線大爆破」。さて共通項は? 噂によれば、「ブラック・サンデー」はスタジアム側の全面協力が得られたが、「パニック・イン・スタジアム」はスタジアムでの撮影は難色を示された(従って写っているのはほとんどゲリラ撮影とセットらしい)。一方「新幹線大爆破」には国鉄の協力が得られたが、「動脈列島」はやはり難色を示された――らしい。その理由は、扱った題材のアクチュアリティ=迫真性によるところが大きい。「新幹線―」や「ブラック―」が絵空事ということでもないが、「パニック―」や「動脈列島」は明日にでも起こりうるほどの真実味があるのだ。著名批評誌でその年のベストテンにも入った「新幹線―」に比べて完全に埋没した(興行的にもほとんどしょぼかった)感じの本作だが、鉄道騒音問題という社会派的な視点に犯罪スリラーを絡めた展開は、大映時代に「黒の試走車」を始めとする「黒の―」諸作を量産し、世界でも類例を見ない“企業社会派”作品群ともいうべきジャンルを確立しつつあった故・増村監督の真骨頂と呼べるものだ。現在見ても決して古びない、迫真の映画体験を保証する。
ドキドキ・アクション
★★★★☆
邦画では「新幹線大爆破」という類似作品もありますが、“ドキドキ・アクション”は やはりこちらの方だと思います。俳優陣も、アチラの「健さん」も素晴らしいですが、コチラの「田宮二郎さん・近藤正臣さん」もカッコイイ!