『カフェ・オ・レ』『アサシンズ』など、フランスの先鋭監督として知られるマチュー・カソビッツによる猟奇サスペンス・アクション映画だが、ここではハリウッド映画を目指したかのようなスピーディなカット割りや、雪山での乱闘にカーチェイスなど、アメリカ映画さながらのメジャー志向濃厚な大作として成立させている。いまや大スターの貫禄十分のジャン・レノと、カソビッツ映画の常連でもあるカッセルとのちぐはぐなやりとりもおもしろい。(的田也寸志)