ゴート札なる偽札を製造し、世界経済の裏側で暗躍していると伝えられるカリオストロ国にやってきたルパン三世(声・山田康雄)たち。そこでルパンは、カリオスト伯爵の妻にさせられようとしている王女クラリス(声・島本須美)を救うべく、活動を開始する。
『ルパン三世』劇場用アニメ映画第2作だが、宮崎駿監督の快活な演出により、従来のシリーズとは一味違った恋とロマンの冒険大活劇の傑作、というよりも今や映画史上に残る不滅のアニメーションとして世界的に親しまれている名作である。クラリスは日本アニメ界最高最大の美少女として今も誉れ高い。泥棒にしては今回何にも盗まないルパン…と思いきや、実はものすごいものを盗んでいたことが発覚するラストは、観る者の胸をキュンとさせてくれる。(的田也寸志)
不朽の名作ですっ!
★★★★★
その面白さは 言わずもがな…ですが、最近になってDVDを購入し直したので
今更ながら、当作品の1ファンとして レビューさせていただきます(^_^)。
■良い点→1.個性豊かなキャラクター達
2.お話全体のテンポが良く 痛快なアクション
3.テーマ曲が良く、又 BGMも効果的でワクx2する
4.名シーン満載で アッという間に終劇
■悪い点→生産中止になってしまっている(DVD版)
嫌という程 観倒しているのに(笑) 今だTV放映時には、TV前に座ってしまいます。
冒頭のカーチェイス、夜のカリオストロ城潜入時のクラリスとの会話、
地下からの脱出劇with銭形、時計塔での伯爵戦、クラリスとの別れ…
皆さんも きっと挙げるであろう名シーンの数々で、グィx2引き込まれます(^_^)♪。
ラスト お話の終わり方に至るまで、文句なしの☆5つ(…でも足りないくらい)です。
往年の宮崎作品…特に「未来少年コナン」に (良い意味で)魅力が 重なります。
又、私が宮崎作品の魅力の1つと感じている「食事シーン」が 当作品にも数箇所あり
楽しく描かれていて 良いです♪。
他のレビュアーさんも書いていますが、ラストシーンで クラリスの側にいる
庭師のお爺さんが言う「なんと気持ちの良い連中だろう…」というセリフが
この作品を観た人の心を代弁しているかのようで、思わず笑顔になってしまう。
警察車両の荷台から手を振る 警官達も含めて、何とも清々しい。
本来の TVシリーズ等との魅力の対比で、☆マイナスの方もいるようで
ルパンファンでも、観方 捉え方は違うかも知れません。
ただ【ルパン三世】を冠しているか否かとは別に、「アニメ作品」として とても秀逸。
今もって色褪せる事のない、私にとって この先も大好きであり続けるであろう
不朽の名作だと 確信しています(^_^)。
補足として…クラリスが 仔犬のように可愛いです(笑)。
そして 次元がとても格好良いです(^_-)♪。
アニメ好きで、この作品を観た事がないという方も 今や少ないかも知れませんが
未体験の方が もしいるなら、是非オススメしたい 永久保存版ですっ!。
Most famous one of another Lupin III
★★★★☆
この作品は傑作ですよ。
原作と人物像が違うから…と言って評価を下げる人は、これに限らず「評価をつける資格のない人」です。原作ともテレビシリーズとも切り離して、「アナザーワールド・アナザーストーリー」として評価するべきです。
そして、この作品単品で評価すれば冒険活劇として「高評価をつけざるを得ない」はずです。
ただし「これぞ理想のルパン三世像か」といえば、私の好むルパン像とは異なりますね。
DVDに対する評価は「製作されたけれど上映されなかった映像」を含んでいないので、星ひとつ下げました。
(過去に一度だけ、日本テレビで「未公開映像」として放送しています。)それが収録されていたら文句なしの星5つでした。そこはもう、フィルムが現存していないのかな(苦笑)
自分も心を盗まれた!
★★★★★
ルパン三世シリーズはほとんど見ていますがこれは傑作です!
ストーリーは分かりやすいし面白い。また監督が宮崎駿さんだけあって映像一瞬一瞬にこだわりを感じます。
それとヒロインがカワイイ!脇役もそれぞれ魅力があってよかったです。
ぜひ見てほしい作品です!!
欧州統合通貨危機を30年前に「予見」していたとも言える作品
★★★★☆
「通貨の本質」を鋭く抉った作品。
「贋金作り」と「泥棒」の話。
本当の主役は、ルパン三世でも
カリオストロ「伯爵」でもない。
クラリスの直系の先祖たち、そして
「ゴート札」である。
西暦1979年正月の思い出と共に。
★★★★☆
あれは冬休みも終わろうとする頃だったか、九州の片田舎の映画館の片隅で「Mr.Boo」の添え物として(笑)最初の遭遇以来、メディアは移ろえども変わらぬ上質のエンターテイメントを提供してくれる本作。最初の頃のTV放送では本編がカットされていて憤慨したのも今は昔。ブルーレイ版は不備の指摘があるようなので、現時点ではDVDが最良のチョイスのようである。
当時は一部評論家&マニア以外には全くウケず、この作品を最も評価してくれた筈の外国映画ファン層にも「一時間以上もマンガ映画を見続けるなんて!?」なんて云う人の方がまだまだ多かった。宮崎監督は発表と共に暫し不遇の時代となるが、その後は皆さんご存知の通り。テレビが本作の評価を押し上げてくれた訳だが、思えば当時から、いわゆる洋画劇場枠で繰返し放送された事自体が本作の性格を端的に示していた。その日本映画離れしたセンス、娯楽性が あざやかに視聴者の心をつかんだのだ。
構成の妙、ダイアローグのセンス、確かに良くまとまっているので、「宮崎作品は(紅の豚を除いて)初期の数本がサイコー!」という意見は少なくない。クロサワの時代劇なんかと似たような反応かも。クリエイターという人達は何時の世も同じ事の繰り返しを嫌うものなので仕方ありませんが、観客って結構保守的でもあるという事か。(個人的には巨匠化してからのいびつな宮崎駿も大好きなので、なかなか悩ましい)
監督処女作とは云うものの、既に十分なキャリアを積み、いわば渡米時のイチロー状態だった宮崎監督にとって本作はそれまでの自身の(そしてルパンそのものの)大棚ざらえ的な作業でもあったようだ。多くの人がこの作品の長所として掲げる声優キャストや音楽すら当初は変更を希望していたというから、それはそれで見てみたいような見たくないような…。実現していれば間違いなく「ルパン三世」シリーズの現在は違った物になっていたはず。
ジャンルや時代を越えてMasterPieceと呼べる作品は決して多くは無いが、本作はその貴重な一本と云えるだろう。幸運にしてその世に出る瞬間に立ち会えた世代からみなさんへお勧めしたい。