一人でじっくりコーヒーを味わいたいときにぴったりなのはこの一枚。 90年代後半、ブリット・ポップブームの終焉後にに登場したゴメスは、フォーク、ブルース、60年代R&Bなどの影響を受けつつもエレクトロニクスの要素も取り込む、音楽性豊かな実力派バンド。そして「Bring It On」はそんな彼らがブレイクするきっかけになった記念すべきデビュー・アルバム。
アメリカ南部の荒涼とした大地、そして英国の洒脱さを感じさせるメロディは、とても20代前半のメンバーによるデビュー作とは思えない渋さと味のある傑作。 アコースティック・ギターに絡むベンの、トム・ウェイツを彷彿とさせる枯れた声は、ちょっと深煎りのコーヒーのほろ苦さと香をより一層引き立てるに違いない。（silly walker）